• "空港"(/)
ツイート シェア
  1. 秋田県議会 2001-02-01
    02月21日-02号


    取得元: 秋田県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-15
    平成13年  2月定例会 本会議議事日程第二号  平成十三年二月二十一日(水曜日)  午前十時三十分開議第一、一般(代表)質問---------------------------------------本日の会議に付した案件    議事日程に同じ--------------------------------------- △午前十時三十一分開議 本日の出席議員    四十六名    一番  加成義臣      二番  安藤 豊    三番  土谷勝悦      四番  菅原龍典    六番  工藤任国      七番  栗林次美    八番  大関 衛      九番  川口 一    十番  安杖正義     十一番  宮腰 誠   十二番  樽川 隆     十三番  平沢健治   十四番  小番宜一     十五番  村上 薫   十六番  小田美恵子    十七番  武田英文   十八番  金谷信栄     十九番  鶴田有司   二十番  冨樫博之    二十二番  穂積 志  二十三番  小田嶋伝一   二十四番  野原多津美  二十五番  原 盛一    二十六番  大野忠右エ門  二十七番  木村友勝    二十八番  加藤義康  二十九番  佐藤健一郎    三十番  中泉松之助  三十一番  佐々木長秀   三十二番  伊藤万治郎  三十三番  長谷部 誠   三十四番  能登祐一  三十五番  鈴木洋一    三十六番  菅原 昇  三十七番  大里祐一    三十八番  工藤嘉左衛門  三十九番  津谷永光     四十番  北林康司  四十一番  児玉 孝    四十二番  山田靖男  四十三番  佐藤次男    四十四番  藤原俊久  四十五番  辻 久男    四十六番  高久正吉  四十七番  柴田康二郎   四十八番  北林照助本日の欠席議員    二名    五番  伊藤昭二    二十一番  石田 寛---------------------------------------   出席議員    四十五名    一番  加成義臣      二番  安藤 豊    三番  土谷勝悦      四番  菅原龍典    六番  工藤任国      七番  栗林次美    八番  大関 衛      九番  川口 一    十番  安杖正義     十一番  宮腰 誠   十二番  樽川 隆     十三番  平沢健治   十四番  小番宜一     十五番  村上 薫   十六番  小田美恵子    十七番  武田英文   十八番  金谷信栄     十九番  鶴田有司   二十番  冨樫博之    二十二番  穂積 志  二十四番  野原多津美   二十五番  原 盛一  二十六番  大野忠右エ門  二十七番  木村友勝  二十八番  加藤義康    二十九番  佐藤健一郎   三十番  中泉松之助   三十一番  佐々木長秀  三十二番  伊藤万治郎   三十三番  長谷部 誠  三十四番  能登祐一    三十五番  鈴木洋一  三十六番  菅原 昇    三十七番  大里祐一  三十八番  工藤嘉左衛門  三十九番  津谷永光   四十番  北林康司    四十一番  児玉 孝  四十二番  山田靖男    四十三番  佐藤次男  四十四番  藤原俊久    四十五番  辻 久男  四十六番  高久正吉    四十七番  柴田康二郎  四十八番  北林照助---------------------------------------     地方自治法第百二十一条による出席者          知事                  寺田典城          副知事                 千葉 隆          出納長                 佐藤正夫          総務部長                青山 鈞          企画振興部長              米田 浩          健康福祉部長              根津谷禮蔵          生活環境文化部長            佐藤博身          農政部長                佐藤洋一          林務部長                川喜多 進          産業経済労働部長            横山忠弘          建設交通部長              小田内富雄          出納局長                鎌田 暹          総務部次長知事公室長         川辺征夫          財政課長                池田達雄          公営企業管理者職務代理者        柴田久夫          教育委員会委員長            糸井健二          教育長                 小野寺 清          選挙管理委員会委員長職務代理者     門間清治          人事委員会委員長職務代理者       小野昭一          公安委員会委員長            藤井 明          警察本部長               片岡義篤          地方労働委員会会長職務代行者      小西尚志          代表監査委員              工藤 昇--------------------------------------- ○議長(安杖正義君) これより本日の会議を開きます。 日程第一、一般質問を行います。四十四番藤原俊久君、四十三番佐藤次男君、一番加成義臣君、三十六番菅原昇君、四番菅原龍典君、二十五番原盛一君、三番土谷勝悦君、以上の七名の諸君から一般質問主意書が提出されております。 まず、四十四番藤原俊久君の代表質問を許可することにして御異議ありませんか。     [「異議なし」と呼ぶ者あり] ○議長(安杖正義君) 御異議ないものと認めます。四十四番藤原君の発言を許します。     [四十四番(藤原俊久君)登壇](拍手) ◆四十四番(藤原俊久君) おはようございます。自由民主党藤原俊久であります。 西暦二〇〇一年、二十一世紀の最初の二月定例会におきまして、そのトップに、自由民主党を代表し質問させていただく機会を得ましたことに感謝を申し上げます。 質問に入る前に、この二月九日、ハワイ・オワフ島沖において、愛媛県立宇和島水産高校の実習船が、アメリカ海軍原子力潜水艦の突然の浮上により衝突、沈没し、実習生四人を含む九人が、夜を徹しての懸命の捜索活動にもかかわらず、いまだ行方不明のままになっておりますことは心の痛む思いであり、御家族、学校関係者の御心中いかばかりか、察するに余りあります。海の男の夢を無残にも打ち砕いたこのたびの衝突事故については、事故原因と事故当時の原潜側の対応を徹底的に究明すべきことを強く訴えるものであります。 こうした中で、昨日、同海域において実習中でありました本県の海洋技術高校の実習船「船川丸」が、米国沿岸警備隊の要請を受け、破損し、漂流していたヨットから四人の米国人を救助したとの明るいニュースが入り、船乗りとして当然という船長の言葉に胸を打たれました。無事実習を終え、元気に帰郷することを願うものであります。 それでは質問に入ります。 質問の第一は、国際系大学の設置についてであります。今回、新年度予算において大学設置に向けて六千三百万余りの諸準備のための予算が計上されております。この国際系大学の設置につきましては、現在、特別委員会において議論の真っ最中であり、また、通常では、知事の改選期を控え、政策的な対象のきわみとも言える新規大学の設置に関する予算を骨格予算の中に計上するというのは、強引と申しますか、みずからの考えのみが絶対に正しいという、民主主義の論理に反する姿勢と言わざるを得ないのであります。 百歩譲ったとしても、一昨年九月に国際系大学の設置構想が打ち出されてから現在まで、肝心の必要性の事由は検討委員会や民間団体などの外部要因に預け、設置の主体である知事みずからは、開学時期以外には具体的な必要性や運営の将来見通しなどを説明しないままに、なし崩し的に既成事実にしようとする姿勢と受けとめざるを得ないのであります。 知事は、反対ならば議会は予算を否決すればよいだろうと言われるかもしれません。また、先日ある政治団体の集会で、「県会議員は頭がかたくてどうにもならない」などと発言しておられたようですが、私ども県議会議員は、知事のように高度な学識、知識を持ち合わせていないのかもしれません。しかし、県立大学の建学の祖とも言える立場の知事からは、学問の持つべき謙虚さ、異なる意見に対する寛容こそが学問の始めという、建学の祖としての姿勢をどうしても見出すことができないのであります。 大学の価値は、その時々に提供する教育内容はもちろんですが、将来にわたって卒業生の評価や社会人になってからの母校との研究交流にもつながる、大学の歴史というものをしっかりと築いていくことにあります。当然に、これは設置者の責務であり、今回の場合には私ども県議会にも将来にわたっての責任がゆだねられているのであります。 国際系大学の新設という命題自体は、一見大変に華やかで前向きに見え、大きな希望が感じられるテーマであることには間違いありません。しかしながら、思い起こしていただきたいのでありますが、これまで大王製紙しかり、リゾート開発しかり、ふるさと村しかり、数多くのプロジェクトが提起され、結局最後は挫折を味わったものも多くあります。いずれも最初は県議会の議論の中で幾つかの問題点が提起されてはいたものの、趣旨そのものは前向きなプロジェクトゆえに、課題を抱えたままスタートしたものであります。私は、今こそ過去の教訓を踏まえ、これまでの反省の上に立って、この国際系大学という問題に対処すべきものではないかと訴えたいのであります。 大学の新設というものは、他の一般的な事業とは異なり、とりわけ絶対的な確信なしにはスタートさせるべきものではないのであります。それゆえに、私ども自由民主党は、少子化や財政課題、産業界など受け皿、学生の対応レベルなど、さまざまな情勢を客観的に受けとめ、十分に調査研究と論議を尽くして、後世に悔いが残らない結論を出すのが常道ではないかと主張しているのであります。何とぞ、議員各位におかれましては、与党、野党という枠にとらわれずに、大学の何たるかを十分に理解した上で、賢明なる御判断を望むものであります。 以上のような観点に立ってお伺いいたします。 第一点は、開学時期についての認識であります。知事は、平成十五年四月の開学時期を延ばせば、提携先に予定しているミネソタ州立大学機構の協力が得られなくなり、この構想自体が消えてしまうと主張し、これを今般の予算計上の最大のよりどころとしております。昨年の二月定例会では、当時の板東副知事が、開学目標について「中身が詰まらなければ固定的に考えるものではない」と発言しております。その後、昨年十二月定例会の総務企画委員会では「ミネソタ州立大学機構の理事会が、十五年四月開学を前提に、総長に秋田県との交渉を一任している」という説明に変わりました。さらに今般、知事は「二〇〇三年三月三十一日に秋田校が閉鎖されるという状況の中で、新たに二〇〇三年四月一日の開学に向けて意欲を持って議会に理解していただくよう進めさせていただきたい」と話しております。私は、これまで信頼関係を築いてきたと言われるならば、ミネソタ州立大学機構サイドから、十五年四月開学を前提としなければ連携・協力できないと言われる理由がどこにあるのか、今もって理解しにくいのであります。 そこで質問に入りますが、まず、質問の中身に入る前に、知事にもわかりやすいように、前提として想定される三つのケースを私のほうから提示し、そのケースを参照しながらお答え願うことにいたします。 まず、ケース一でありますが、知事の言う十五年開学リミット説の論拠は、いつかの時点に、初めに知事サイドから十五年開学を前提とした国際系大学設置への連携・協力をミネソタサイドに申し入れ、ミネソタサイドではそれに合意し、十五年開学に合わせ体制づくりをしているということなのでしょうか。このことが、知事が十五年四月開学に固執しなければならなくなった理由であり、知事自身も口にしております「共同作業」、あるいは「連携作業」の起点になっているのでしょうか。 次に、ケース二ですが、もし、ケース一のような考えが違うとするのであれば、論理的には国際系大学の設置への連携・協力を県からミネソタサイドに申し入れた結果、ミネソタサイドから十五年三月に閉校する現在のミネソタ秋田校を引き継ぐようにして、新しい県立大学を十五年四月に開学させることが連携・協力の条件として示され、それを受けて知事として判断したものとも受けとめられるわけであります。 もう一つ、ケース三としては、知事が現在のミネソタ秋田校とは直接に関連しないとは言明しているものの、そもそもこの国際系大学の発想の起点は現在のミネソタ秋田校サイドにあり、公式、非公式は別として、例えば、十五年三月閉校の後に、国際系大学のような形で活用してほしいとの申し入れが県になされて、それを起点としているということも想定され得ることであります。 いずれ憶測はいたしたくありませんが、大きく区分すれば、以上述べました三つのケースの中のいずれかに属するということになるのではないでしょうか。このような点に関しては、これまで昨年十二月の総括質疑の機会などにおいて、知事に幾度も確認を求めたのであり、繰り返しになる点もあると存じますが、知事からは、ただただ「理解をいただきたい」、「十五年四月開学がベスト」という言葉があるだけで、一向に順序立った論理的で明確な答弁を得ることができずに現在に至っております。 先日の知事と私ども自民党との政党内協議においても、知事は、その後の記者会見で、あたかも「共同作業」と「連携」という言葉遣いだけのことで、むだな時間がかかったようにお話をしておられたようですが、そもそも知事からは通常理解できる言葉で明確な説明を受けたことはなく、知事が日ごろ口にする説明責任は、今日まで全く果たされていないのであります。 ここで質問の内容に入りますが、まず最初に、私の提示した三つの基本的なケースのどのケースに当てはまるものなのか、仮にこの三つのケースと大きく異なるとすればどのようなものなのかということも含めてお答えを願います。 以上の点を明確にされた後に、ミネソタ州立大学機構側との最初からの接触、協議の経過とその時々の当事者はだれであったのか及びその協議内容はどのようなものであったのかについて、大要を明らかにしていただきたいと思います。 また、これらを踏まえた上で、知事が主張する平成十五年四月開学でなければミネソタサイドとの連携が困難になるという論拠について、再度具体的に答弁をいただきたいと存じます。 二点目は、予算提案に対する姿勢についてであります。知事は前に、「ひざをついてもお願いする」とも言っておられ、確固たる信念で提案するとも受けとめていたわけでありますが、予算内示の日には「予算の内容については、議会サイドの考えによってやわらかく対応していきたい」という発言もしておられます。これはどのような意味合いで申されたものなのか、今回も私どもは迷わざるを得ないのであります。私どもの頭はかたいが、それに比較し知事御自身は頭がやわらかいので、国際系大学の関連予算は、提案する前から、修正、取り下げなどを視野に入れているということでありましょうか。議案を提案しておいて様子を見るというような手法は、議会を愚弄する姿勢とも受けとめられるものであり、私どもとしては到底容認することはできないものでありますが、この点について、知事の真意はどこにあるのか伺います。 質問の第二は、あきた21総合計画と新年度予算についてであります。あきた21総合計画は、昨年の三月に寺田知事の最初のオリジナル計画として、「時と豊かに暮らす秋田」、「遊・学3000」という知事の主張するイメージを冠して策定、公表されたものであります。この計画について、私どもは策定の過程において、その将来見通しへの考察が足りないのではないか、現状認識が甘過ぎるのではないか、数値目標の根拠がわかりにくいなど、基本的な事項について疑問を呈し、幾度か知事にお答えをただしたのでありますが、そのときも知事からは要領を得た御答弁が得られず、今日に至っております。 質問の一点目は、計画の進行状況についてであります。まだ計画がスタートしてから一年しかたっておらず、具体的な形は見えにくいかもしれませんが、知事はこの計画をどのように評価しておられるのか、その後の状況変化も踏まえ、進行状況についての基本的な認識をお伺いいたします。 二点目は、新年度予算の中のソフト事業についてであります。今回は骨格予算ということですので、県財政全体の動向については、ここでは触れないことにいたします。提案された当初予算案を見せていただきましたが、骨格予算という割には随分と新規事業、特に各分野における、知事が政策の重点と自慢するソフト事業と称されるものが多いことが目につきます。しかも、大変にきれいな言葉をちりばめた割には内容が一過性で小粒なものが多く、果たして効果のほどはどうか疑問に感ずるものが多いのであります。 知事は日ごろ、ソフト重視とは言いますが、ソフト重視とは、細かなイベント的なものや啓発事業を網羅することではなく、特に行政が手をつける範囲は、大きな課題や一連の戦略の中でねらいを絞る必要があるのではないでしょうか。例えば、地元産物を地元で消費する地産地消の推進について幾つかの新規予算が計上されていますが、啓発運動や県民会議の設置も結構なこととは思いますが、全体を見た場合には、特定の人だけが関与する、全く一過性のただのイベントの羅列にすぎなくなるようにも受けとめられるのであります。地産地消の推進のためには、県内の生産組織、生産体系の動向を基本としながら、県全体の生鮮食料品物流の実態や量販マーケットの経営戦略、農協組織と商業資本との連携、あるいは役割分担など、包括的なとらえ方の中で、中期・長期的な視野も含め、一連の個別の取り組みを進める必要があります。例えば、このテーマに絞った場合でも、相当に領域は広いのでありますが、予算を見る限りにおいては全体の脈絡が見えず、特に重要なポイントとなる大型流通資本へのアプローチの部分などが見えず、単に細かな補助金の配分事業にしかすぎないのではとも思われるのであります。 いずれ、細かなソフト事業の多くは、単発、一過性で、その波及範囲が極めて特定されるのではないかと思われますが、新年度予算に計上したソフト事業に関して、知事の県が関与すべきソフト事業に関する基本的な認識も含め、御見解をお伺いいたします。 三点目は、計画事業の前倒しと財政運営との関連についてであります。例えば、IT関連において、光ファイバー網など高速通信網の整備を、今般、計画当初の二〇一〇年目標から二〇〇五年に五年間の大幅な前倒しをしております。いずれ、この事業について、本質的には前倒しした場合の効果は大きいものであることから、前倒し事業をとやかく言うのではありませんが、計画策定後の一年間に、格段とIT関連の環境が変化したわけではないのであります。多分、知事は、国の政策と連動させた、状況に的確に対応したとおっしゃるとは思いますが、計画策定時における見通しの甘さと言えるのではないでしょうか。それが、この四月の選挙戦を控え、他の候補の先導的な政策に刺激され、知事も前倒しせざるを得なくなったとも感じられるのであります。これ以外にも、さまざまにあるのではないかと思うのでありますが、前倒しも計画性を持ちませんと、中・長期の財政運営見通しとのそごが生じてまいります。 また、基本的には県民の意見を大切にした計画であるならば、一定以上の変更では総合開発審議会などとの関連が生じ、ルール上、計画変更手続の関係が生じてくるのではないかと考えられるのであります。 今回の予算の中で、このような大きく前倒ししたもの、また今後、状況変化などにより前倒しや大幅変更が見込まれる主要な事業について、現時点における進行管理の過程で明らかになっているものをお聞かせ願います。 また、総合開発審議会等計画変更手続及び中・長期の財政運営見通しとの調整の関係についての御見解をお示しください。 質問の第三は、県の行政組織機構についてであります。知事は、組織のあり方としては、小さな効率的な行政主体を目指し、簡素で効率的な組織づくりをと言われておりますが、行政を最も円滑に進めるため、真に簡素で効率的な組織で仕事を進められることは大いに結構なことであります。これまでの組織体制では、政策監を配置されたほか、特定の課題について部局を超えた横の連携を強化し、縦割り意識を排除し、横断的な仕組みで機動性を高めるとして、少子・子育て対策、農山村振興対策など六つの推進本部を立ち上げておられます。十二年度からは、九部局六十七課室を、七つの課室を減らして九部局六十課室に編成し、部や課の名称もやたら長く大幅に変えましたが、課室を減らしている反面、課長職以上の職員は逆に多く配置されております。そして来年度からは、チーム21を発足させるようですが、これら一連の組織体制を全体的に見てみますと、本来あるべき組織や体制がどう変わったのか、推進本部とチーム21の位置づけや業務は何なのか、だれがどのような責任のもとでどう進めていくのか、県民の目からはわかりにくく、複雑な組み合わせとなっており、知事が言う、県民にわかりやすくサービス向上につながる、簡素で効率的な組織づくりとはいささか方向を異にする組織体制となっているように思われるのであります。 それでお尋ねいたしますが、知事が言われている組織体制のあり方がどのように実現され、具体の業務への取り組み方が従来とどう変わったのか、効率化や県民サービスがどのように向上されたのか、また、今後の組織づくりにどんな課題が生じているのかをお伺いいたします。 二点目は、幾度となく話題となり、改善はされてきてはおりますが、時間外勤務が余儀なくされている特定の職場や業務などが、まだ多く見受けられるが、あるべき組織と業務内容の見直し、職員配置という組織機構の基本的な事項が見落とされ、形式的な部課名の変更などが改正の主なものとなっているように思われますが、お考えをお伺いいたします。 質問の第四は、知事の県政運営の姿勢についてであります。 まず第一点目は、知事選挙の推薦依頼などについてであります。昨年、社団法人秋田県看護協会と日本看護連盟秋田県支部の連名による看護活動協力金の依頼について、市民団体の指摘で、知事は同協会に対し、設立趣旨を遵守するよう強く指導をし、知事も「連名でそういう依頼文書を各会員に送付したことは好ましくないと思うし、二つ一緒になったということは、軽はずみというか、好ましくないこと」と言われております。知事の御発言はもっともなことでありますが、しからば昨年、秋田県知事寺田典城名で県内の諸団体などに出された、知事選挙に向けての推薦依頼についてはどうお考えでしょうか。 この件については、昨年十二月の決算特別委員会県議会定例会において、我が会派の議員の質問に、企画振興部長は「選挙運動は、立候補の届け出後でなければできず、立候補予定者が、組合、団体、会社等に対して、自分を推薦してくれるよう働きかけする行為は、一般的には選挙運動と考えられており、これを文書で依頼することも多くの場合、違反になり得る」旨の御答弁をしております。これに対して知事は、推薦依頼状が諸団体などに届いていることを認めておりますが、「文書は後援会で作成し、発送したもので、後援会で回収作業に入ったと報告を受けており、今後県民に誤解を与えないよう後援会にお願いをした」と、「皆様をお騒がせしたことは、まことに残念に思っている」などと答弁されております。 私はこの知事の答弁を聞いて自分の耳を疑うと同時に、心底からの怒りを覚えました。あなたは法律や条例、その他、知事の権限に属する県の事務を、みずからの判断と責任において誠実に管理し、執行しなければならない義務を負っているのであります。であるからこそ、あなたは知事として看護協会の行為に対して、「公益法人としての自覚に欠ける行動でまことに遺憾であり、猛省を促す」という厳重な注意、指導をされたのであります。その知事が、自分にかかわる推薦依頼については、後援会の問題であるとして他人ごとのような発言をされ、自分の責任の重大さを少しも認識せず、いささかの反省の言葉もないことは、知事としての資質を欠くもので、絶対に許されるものではありません。 改めて質問いたしますが、知事、あなたは今も推薦依頼をしたことに、何らの責任はなく、すべて後援会の責任であるとお考えでしょうか。推薦状の回収について、すべて回収をされたでしょうか。もし回収が済んでいないとすれば、今後どのようになされるのでしょうか。既に推薦を受けたものは、推薦のあて名人は寺田典城であり、その推薦の取り扱いを判断するのは後援会ではなく、あなた自身であります。どう御判断されたでしょうか、お伺いをいたします。 法をつくり、法を守り、法を執行するその一番の責任者である知事が、明らかに法に触れ、その責任を他になすりつけるようなことを、私ども県議会議員としては許すことはできませんし、県民も決して許すものではないと考えます。 警察本部長にお伺いいたします。ただいま知事に質問をした件につきまして、昨年の県議会で知事も推薦状が諸団体に届いている事実を認めておられますが、県警察本部としては、これに対し何らかの対応をなされたものでしょうか、お伺いをいたします。 選挙管理委員長にお伺いいたします。ただいま知事に質問をした件につきまして、現職の知事が、間もなく行われる知事選挙に向けて、告示前に諸団体に対し文書をもって推薦依頼をした事実を確認されたものでしょうか。事実を確認された場合には、選挙管理委員会としてはどのような判断をし、措置をなされるものでしょうか、お伺いをいたします。 第二点目は、知事の説明責任についてであります。去る九日の自民党会派への予算内示の際ですが、先ほども触れましたが、国際系大学関連の予算の質疑応答で、大学構想はミネソタ大学秋田校との共同作業との説明に対し、その真意を問われましたが答弁ができず、ただただ「御理解をお願いします。以上です」の繰り返しだけでありました。そして結局は、控えの職員との相談で、「同校との連携」という言い方に訂正をいたしました。 知事、あなたには、県政の重要な事項については自分の言葉で責任を持って説明をする責任があるのです。自民党会派がこの問題に慎重な姿勢で臨んでいることはおわかりのはずで、知事が説明責任を果たす絶好の機会を知事みずから放棄したと言わざるを得ません。いつも職員が作成したペーパーを読むだけで、質問には自分の言葉で答えられず、ほとんどが控えの職員が応答しているではありませんか、知事として余りにも無責任であります。 このような場面は、何も自民党との協議の場ばかりではありません。昨年十二月の決算特別委員会の総括審査での何回もの審査中断や定例会本会議での前代未聞の本会議中断などがありますが、いずれも知事が責任を持って答弁し、説明をしないこと、説明できないことによるものであることは、あなた自身もおわかりになっていると思います。知事の説明責任についての御所見をお伺いいたします。 第三点目は、知事の県行政推進の手法についてであります。知事就任以来四年間の行政推進の手法、進め方について、知事御自身どのような認識を持たれ、どうお考えになっておられるかについて、私の視点からの感想を含めてお伺いいたします。 知事は、事あるごとに「むだのない行政、うそのない行政、透明性のある行政、県民との対話を大切にする行政」を口にしてまいりましたが、果たしてこの四年間を振り返ってみたときに、本当にそのとおりの行政を進めてこられたとお考えでしょうか。 私は、知事が就任されて以来、心配し、懸念していたことがありました。それは、知事部局だけでも五千三百人余もの有能な県職員の能力を、本当に県政に生かせるであろうかという懸念でありました。職員はあらゆる分野、部門に及び、職種においても、人数でも県内最大の職場であり、かつ優秀な頭脳を持った集団でもあると考えております。私の心配は、これらの職員の持てる能力が十分に発揮されないときの県民に与える損失の大きさでありました。職員の中に「知事には何を言ってもむだだ」というあきらめ感が蔓延した結果としての損失、新たな発想への意欲を失ったための損失など、その及ぼす影響ははかり知れないものがあり、それはすべて県民に降りかかってくるのであります。それが今、現実のこととなっていることを、知事、あなたはお気づきになっておられるでしょうか。 知事、あなたの手法が結果として秋田県にとって大きなマイナスとなっていることを、我が会派の議員がこの議会の場で幾度となく苦言を呈し、進言をしてまいりましたが、残念ながら一向に耳を傾けていただくことができませんでした。 次は議会との関係についてであります。知事はいつも議会と執行部は車の両輪で、十分な話し合いと議論をしながらと言われますが、果たしてどれほどのまともな話し合いが持たれ、議論が交わされてきたのでしょうか。重要な問題や議決事項でも、結局何の話し合いもなく、唐突に予算案や議案という形で提示されることから、議会としては限られた時間の中で是非の判断をしなければならず、加えて議会や世論の動向をうかがいながら出したり引っ込めたりするため、いかに不毛の議論がなされ、むだな時間が過ぎているかを、知事、あなたは今もってまだお気づきにはならないのでしょうか。知事、行政手法も人間の生き方も基本は信頼関係であろうと思います。信頼のないところに、すべてはないのであります。 今、飛躍的な経済発展を遂げ、繁栄の恩恵に浴してきた我が国では、二十世紀の後半に入り、人間の価値観の変化、グローバル化と情報化の波、環境問題の高まり、少子・高齢化の進展の中で、深刻な課題を突きつけられ、社会・経済システムの根底からの変革に迫られ、それは、とりもなおさず私たちの秋田での課題ともなっております。 秋田に今生きている私たちは、みずからの発想と知恵で、みずからの問題に取り組み、特性を生かした個性のある秋田を築き、生まれ育っていく子供たちが、生きることのすばらしさを実感できる秋田をつくらなければならない責務を負っております。豊かな自然、人情味ある県民性、逆境に立ち向かう忍耐力など、恵まれた環境にある私たちの秋田でありますが、本県の実態を直視したとき、残念ながら全国を上回る速さで進んでいる少子・高齢化、おくれている社会資本、体力の弱体な零細・中小企業、雇用の場の不足、厳しい環境にある農業など、今すぐ県民が一体となって取り組んでいかなければならない課題が山積しております。 これらの諸問題に積極果敢に取り組み、二十一世紀において、「夢と希望を持てる秋田」を構築していくためには、自分たちの秋田は自分たちの手でつくろうという若さと情熱を持ち、未来への明確なビジョンのもと、強力なリーダーシップを体し、秋田の可能性を最大限に伸ばす知識と知恵を持つ、県民が安心して県政をゆだねることのできる二十一世紀の新しいリーダーを選び、そのリーダーのもとで議会と執行部が互いに切磋琢磨し、真の車の両輪となって県勢発展のために邁進しなければなりません。それが我々の任務であることを申し上げ、私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(安杖正義君) 県当局の答弁を求めます。     [知事(寺田典城君)登壇] ◎知事(寺田典城君) 藤原議員の御質問にお答えいたします。 一点目の国際系大学の設置についてでありますが、初めに、開学時期については、まず、ミネソタ州立大学機構との協議経過の大要ですが、平成十年七月三十一日に来県した同機構のアンダーソン総長とお会いし、秋田校への支援依頼を受けたのが最初であり、そのときは、経営には支援できないが、中・長期の視点から検討したいと申し上げております。 その後、平成十一年七月十三日付の企画調整部長からアンダーソン総長あての書簡において、県は、長期的な視点に立った対応として同機構との協力による四年制大学の可能性について検討したいとの提案をし、同総長からは、ともに取り組んでいくことへの期待が示されたところであります。 次に、同年九月二十日付の総長から副知事あての書簡において、秋田県とのパートナーシップに基づく新しい大学については、平成十五年四月開学を目指したい旨、理事会に提案するとの報告があり、これに対し、スケジュール的には可能との判断から、これを目標に努力すると副知事名で回答しております。 さらに、同年十月二十一日付の総長から副知事あての書簡では、理事会において、秋田校へのプログラム提供は、平成十三年三月三十一日までとすること、また、秋田県が考えている新たな大学については協議を進めることが決定された旨、伝えられたところであります。 以降、平成十一年十一月における可能性調査を皮切りに、今日まで事務レベルの協議を続けてきているところであります。 一方、秋田校の閉校については、同機構と学校法人秋田国際アカデミーとの間で交渉があり、同学校法人の強い要望から、同校の閉校は平成十五年三月とすることで合意した旨、平成十一年十二月に連絡を受け、確認したところであります。 なお、国際系大学の平成十五年四月開学については、さきの経緯からも明らかなように、ミネソタ州立大学機構から提案があり、それに対してそのスケジュールを目標に努力するとしたところでありますが、その際、同機構から秋田校を引き継ぐような条件提示があったこともございませんし、秋田校サイドから十五年三月閉校後に活用してほしいとの申し入れを受けて、国際系大学を発想したものでもないことを申し述べておきたいと思います。 最後に、平成十五年四月の開学でなければミネソタ州立大学機構との連携は難しいのかとのお尋ねですが、これについては、これまで同機構との信頼関係のもとに、一年半にもわたって協議を積み重ね、共通目標の実現が可能との見通しがある中で、十五年四月開学を逸すれば国際信義を損ねることになり、そのようなことは避けるべきであると判断した次第であります。また、昨年の十二月、秋田校を通じ、開学をおくらせることは困難であるとのアンダーソン総長の判断が示されたこともつけ加えておきます。以上のことから、平成十五年四月開学を逃せばミネソタ州立大学機構との連携が危うくなることが懸念され、生き残っていける国際系大学の実現も難しくなると判断したところであります。 次に、予算提案に対する姿勢についてでありますが、去る二月九日の記者会見において、「予算の内容について、議会サイドの考え方を賜り、やわらかく対応していきたい」と申し述べましたことは、一般論として、議会に予算審議をお願いする以上、議会の御意見もお聞きし、対応していくものとの趣旨でありますので、御理解をお願いします。 二点目のあきた21総合計画と新年度予算についてでありますが、初めに、総合計画の進行状況については、あきた21総合計画は、県政の抱える人口減少や産業振興などの基本的な課題に対応するとともに、人と時間の価値に注目した独創性に富んだ新しい秋田づくりの計画であると考えております。 また、この計画は、「みんなで創る新しい秋田」を合い言葉に、多くの県民の皆様の参画を得ながら推進することとしており、計画を着実に推進するためには、何よりも県民の皆様から十分な御理解をいただくことが不可欠であります。このため、本年度は、ビジュアルで見やすい計画の概要版を広く配布したほか、私も含め県職員が語り部となって県内各地に赴くなど、あらゆる機会を通じ、計画の普及に努めてまいったところであります。 この間、計画に関連して、さまざまな御意見、御提言をいただいてきたところでありますが、これまで県政に対し、比較的発言の機会が少なかった高校生など若者や女性からも活発な御意見をいただいたところであり、計画に対する関心の高まりを感じております。今後も県民の皆様から計画の理解を深めていただけるようさらに努力してまいります。 今年度は実施初年度であり、計画の達成状況の詳細を把握することは困難でありますが、下水道や高速道路など県民の生活や利便性の向上に役立つ事業の進捗状況や、自立とパートナーシップにかかわるNPO法人の認証件数、さらには子育てボランティアの数などに着実な伸びが見られます。 また、県民の皆様の参加を期待し、新たな試みとして盛り込んだ県民運動についても、科学する心を育む夢プランなど七つの夢パートナーシッププランが順次立ち上がってきており、計画初年度としては全体としておおむね順調なスタートを切ることができたものと感じております。しかし、農林業の再構築や雇用、景気回復の問題、さらには大王製紙問題などの課題もあり、これらにも留意しながら、計画の円滑な推進に努めてまいります。 次に、新年度予算におけるソフト事業についてでありますが、これまでの行政のさまざまな施策は行政主導型で、ともすれば一方通行になりがちでしたが、地方の総合力が問われる競争の時代にあっては、企業、団体、ボランティア、NPOなど、地域における多様で元気な行動主体と連携し、より大きな効果をもたらすという県民参加型の県政運営が求められています。こうした主体との連携、協力のもとに行うソフト施策は、地域の主体的発想を県民のさまざまな活動から引き出す、いわば起爆剤であると考えております。 幾つか例を挙げますと、例えば、地域のきらめき発掘事業は、従来までの民間グループが行うイベントの支援にとどまらず、ボランティアやNPOを初め、女性グループや高齢者のグループなど、地域で元気に活躍されている皆様が、自分の住む地域を自分たちで変えていこうとするさまざまな活動に支援する事業であります。また、環境整備地域連携事業は、県民総参加による道路、河川、海岸環境の保全のため、住民参加型の愛護活動やクリーンアップ活動を支援しようとするものであります。 こうした事業の中には、御指摘のとおり、予算規模が小さかったり、モデル事業であるがゆえに全県的な実施に至っていないものもございます。しかし、たとえ小さな事業であっても、地域に根差した確かなものであれば、決して一過性のものではなく、そこから生まれた芽を育てることもできますし、事業を実施する試行錯誤の中から、新たな発想や住民との連携、協力関係が生まれてまいります。形の見えないソフト事業を実り大きいものとしていくのは大変難しいことではあると思いますが、「みんなで創る新しい秋田」を合い言葉に、「時と豊かに暮らす秋田」を目指して、県民の皆様とともに確かな道筋をつけてまいりたいと考えております。 次に、事業の進行管理についてでありますが、国におけるIT革命の推進など情報化の急激な進展に機動的に対応するため、今回の予算では秋田情報ハイウェイ構築事業や秋田スクールIT推進事業を盛り込んだところでありますが、あきた21総合計画の目指す姿をより早く実現しようとするものであり、計画との整合は図られていると認識しております。 なお、計画の変更については、次期実施計画を策定する際に、前期実施計画期間における目標値の達成状況や施策の重要度などを総合的に検証するとともに、総合開発審議会等の意見を伺いながら考えていくこととしておりますが、県民生活に重大な影響を及ぼす社会情勢の変化があった場合には、柔軟な対応をしてまいりたいと考えております。 また、中・長期の財政の見通しとの関係につきましては、毎年度当初予算を編成する段階で調整を図っておりますので、厳しい財政状況ではありますが、あきた21総合計画の実効性は確保できるものと考えております。今後とも「時と豊かに暮らす秋田」の実現に向け、施策の重点化を図るなど、限られた財源を有効に活用しながら、施策目標を着実に達成してまいりたいと思います。 三点目の行政組織機構についてでありますが、初めに、組織づくりについては、私は、知事に就任して県の厳しい財政状況を目の当たりにしたのでありますが、少子・高齢化や環境問題などの増大する行政課題に対応するためには、徹底した経費の節減が不可欠であると考え、民間コンサルタントに県の組織の診断を依頼したわけであります。その結果、県では中間管理職が多層化し、意思決定が迅速性に欠けるほか、責任と権限があいまいであることが大きな課題として指摘されたのであります。 このため、意思決定の過程を短縮するフラットな組織にする必要があると考え、十一年度に本庁に班制を導入したほか、課長の権限の一部を班長に移譲して、責任と権限の明確化を図ったものであります。地方機関においても十二年度に班制を導入するとともに、次長職の廃止を進めているところであります。さらに、福祉事務所と保健所や農林事務所と普及センターの統合、地方機関への権限移譲などを進めることによって、県民サービスの向上にも努めております。 しかしながら、最近の政策課題は単一の部局では対応が困難なものが多くなっており、これまで往々にして部局間の連携が十分でなかったという反省から、短期的、補完的な役割を担うものとして、少子・子育て対策などの推進本部を設置したものであります。また、来年度から新たに設置するチーム21は、特定の政策課題や戦略課題について、短期集中的な取り組みを進め、施策の推進に弾みをつけようとするものであります。特に、職員が専任体制で予算執行等の権限を持ちながら、迅速に事業実施に当たる点で、推進本部や政策提言型のプロジェクトチームとは役割が異なるものであります。これらも行政目的を効率的に達成するための組織づくりの一環と考えておりますが、今後とも社会経済情勢の変化に対応して柔軟な組織運営に努めてまいりたいと考えております。 なお、新たな組織の再編等については、現在のところ県民の皆様から特別の苦情等はいただいておりませんが、引き続き、昨年度に設置しました行政相談員を通ずるなど、県民の声には常に耳を傾けながら、簡素で効率的な行政、県民サービスの向上に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、業務内容の見直しについてでありますが、民間企業が将来への生き残りをかけた懸命な努力を行っている中で、ひとり行政のみが例外でよいわけではなく、ましてや昨今の財政状況等を考えるとき、行政の効率化は避けて通れない喫緊の課題であり、県としても行政改革の中で、業務の進め方の見直しや外部委託等を行って、一五%の定員縮減を目標に掲げてその達成に向けて取り組んでいるところであります。 一方、複雑・高度化し、一層増大する行政需要に、限られた予算、人員で迅速、柔軟に対応するためには、政策・事業に優先度をつけ、選択的に実施することが何よりも肝要でありますので、政策・事業評価システムを導入したところであります。これと並行して、効率的な業務遂行のためには、これまでの仕事の進め方を見直す必要があり、各課に共通する総務事務の統合化を行ったほか、各課所においても個々の事務処理についての創意工夫を促すための、全庁を挙げた業務改善運動を展開しているところであります。 このような取り組みにより、御指摘のありました時間外勤務は毎年一〇%程度ずつ減少しておりますが、職場によっては依然として長時間の勤務となっていることも事実であり、このような職場には、必要に応じて職員の増員を図っているところであります。申すまでもなく、長時間の勤務は、職員の健康や家庭生活に重大な影響を及ぼすおそれがあることから、引き続き各職場の勤務実態の把握に努めるとともに、適正な職員の配置を行ってまいります。 県政運営の姿勢についての推薦依頼についてでありますが、御指摘の文書は、後援会の職員が過去の選挙の通例などを踏まえ、作成、送付したものでありますが、県民に誤解を招くような行為であったと、私としてもまことに遺憾に存じております。推薦依頼文書の回収については、送付した二百通余りのうち、約半数程度を回収済みと聞いております。残りについては、送付先において廃棄等の処分がなされているようであります。 既にいただいている推薦状につきましては、各団体等の自主的な判断により推薦していただいたものと考えており、後援会の意向も受け、団体等から特段の意思表示がない限り、ありがたくお受けすることとしております。 次に、説明責任についてでありますが、行政運営に当たりましては、的確な政策選択と成果の達成が求められることはもちろんのことでありますが、政策立案の段階から決定に至るプロセスを県民の前に明らかにし、十分な理解を得ることが県民と行政のきずなを強め、住民が参画できる県政を進める上で最も大切なことであると考えております。このため、私は、知事就任に当たり、開かれた県政、情報公開の推進を公約に掲げ、今日まで行政の説明責任の徹底に全力を傾け、職員にもその意識を持つよう強く求めてまいりました。県民の知る権利や行政の説明責任を明記した情報公開制度の拡充、政策・事業評価制度の導入と評価結果の公表、審議会等の公開の促進などの制度的手当てのほか、全戸配布広報紙の発行強化、知事面会日の実施、美の国秋田ネットの整備拡充など、県民とのコミュニケーションの充実に努め、説明責任の遂行に向けた取り組みを積極的に進めてまいりました。 こうした行政の説明責任を果たす上で何よりも大切なことは、県民の生の声や県政に対する思いに素直に耳を傾けるとともに、できること、できないことを峻別しながら、県の考え方や政策、そしてまた将来ビジョンを、能弁でなくとも、みずからの言葉で率直に語りかけることにあると考えております。また、これからの地域間競争の時代においては、県民の主体的な参画を得て、地域の総合力を高める取り組みがとりわけ重要となってまいりますので、私自身を含めた県職員が語り部となり、これまで以上に、県民と胸襟を開いて語り合う機会を拡充してまいりたいと考えております。同時に、職員一人一人の県民に話しかける言葉が、とりもなおさず私自身の言葉であるということを、いま一度職員と思いを一つにし、一層努力してまいりたいと思います。私は、こうした実践の積み重ねこそが、真に説明責任を果たすことになるのではないかと考えております。 議会に対しましても、県勢の発展に向けて互いに切磋琢磨する立場から、政策決定に至るプロセスを含め、できるだけ率直に考えを述べ、また、重要な問題では、より慎重に対応してまいったつもりでありますが、今後、なお研さんを積み、信頼関係の確立に努力を重ねてまいりたいと思います。 次に、行政推進の手法についてでありますが、県政に対する県民の期待にこたえ、与えられた責務を全うするためには、もとより、私一人の力でなし得るものではなく、職員と一体となった取り組みが求められることは、改めて申すまでもないことであります。県の業務の進め方自体が大きな変革を迫られている時代環境の中で、職員に対しては前例踏襲など、これまでの行政の常識を常に問い直す姿勢を忘れず、コスト感覚や現場重視の考え方を徹底するよう指導してまいりました。この取り組みにおいて、知事に就任した当初は、私にも多少の気負いもあり、職員にも戸惑いがあったことは否定できませんが、私の考え方が職員に的確に伝わるよう、県内各地域の一線で頑張っている職員も含め、数多くの職員と直接ひざを交えた話し合いの場を持ち、職員の県政に対する思いにも、できる限り耳を傾けてまいりました。こうした積み重ねにより、職員の意識も変わり、県民に奉仕する者として、誠心誠意私を支え、職務に邁進していただいており、私とのきずなも着実に強くなっているものと受けとめております。心から感謝をいたしているところであります。 一方、これからの地方分権時代においては、従来のように、国のマニュアルに頼る意識から、地域を見詰め直し、そこから新たな施策を立案し、逆に提案していくような、積極的な姿勢への転換が何よりも求められると考えております。そうした取り組みは、時に試行錯誤を繰り返し、自問自答を重ねながらの挑戦となりますが、これまで以上に努力と情熱を注ぐことが必要となります。特に、時代の要請にこたえ、これまで経験のない仕事に向き合う場合、私自身提案者となり、県内部の議論を引き出すことは大変大事なことと考えております。これを独断的なトップダウンと批判されるのは、新たな施策立案に果敢に挑戦する意欲が職員の間に着実に浸透し、一歩一歩活性化しつつある状況からすれば、まことに心外であると言わざるを得ません。 さらに、議会に対しましては、県勢の発展に向け、互いに切磋琢磨すべき立場に立って、真摯な姿勢で臨んでまいったつもりであります。 また、透明性の高い手法に徹し、率直な意見交換を旨として、論議を重ねることを重視してまいりましたが、こうした対応が、ややもすればあつれきの原因と受けとめられていることについては、まことに残念に思っております。今後、真の信頼関係確立に向け、なお一層努力を重ねてまいりたいと考えております。 最後になりますが、ただいまは私の四年間の県政運営に対し、さまざまな苦言、提言をいただき、ありがとうございました。時代は今、過去に経験したことのない速さで急速に変化しております。県政は、この変化に柔軟かつ迅速に対応しつつ、いかに各自治体間の競争に打ち勝つかが求められております。私がこれまで進めてきた県政改革は緒についたばかりであり、この流れをより大きなものにするため、目的達成型県政への転換を目指し、さらなる行政改革と県職員の一層の意識改革を進め、県全体が改革先進県となるよう、知事としての責務を果たしてまいりたいと存じます。 議会及び県民の皆様の御理解と御支援を賜りますよう、心からお願い申し上げます。     [警察本部長(片岡義篤君)登壇] ◎警察本部長(片岡義篤君) 御質問のありました推薦依頼についてお答えいたします。 公正な選挙は、民主主義の根幹をなすものであり、選挙違反取り締まりを通じまして選挙の公正確保に寄与するということは警察の責務であります。 このようなことから、常に不偏不党かつ厳正公平な立場を堅持して選挙違反取り締まりに当たるべきものと考えております。 御指摘の行為が公職選挙法に抵触するものであるならば、警察は厳正に捜査を行うものであります。 本件が公職選挙法に違反するものであるか否かにつきましては、捜査しているか否かも含めまして答弁を差し控えさせていただきます。     [選挙管理委員会委員長職務代理者(門間清治君)登壇] ◎選挙管理委員会委員長職務代理者(門間清治君) 推薦依頼の文書を差し出すことが選挙の事前運動に該当するかどうかにつきましては、これまで示されている総務省の見解によりますと、推薦依頼の文面のみならず、依頼者、依頼先、依頼の時期、依頼先の数等、依頼の態様等によって判断すべきものとされております。 既に行われたことに対しましては、当選挙管理委員会には捜査権限がなく、したがって、事実の確認を行い判断をする立場にないことを御了承願いたいと存じます。 ◆四十四番(藤原俊久君) 知事、どうもいろいろ大学の件は整理していただいてありがとうございました。 一つだけ確認をさせていただきたいんですが、知事がいつかの時点で、この大学問題の取り扱いについて、ミネソタ大学だけではないと、要するに他の大学も視野にあると、ミネソタ大学も視野の一つだというお話があったわけですが、ただいまのずっと流れから理解していくと、やはり最初からミネソタ大学であって、提携先はそこだけであったのかというような理解をしたわけですけれども、その確認だけでございます。よろしくお願いします。     [知事(寺田典城君)登壇] ◎知事(寺田典城君) 藤原議員にお答えいたします。 十一年の九月の二十三日、本会議での私の「ミネソタ大学の選択肢」という答弁に対する御質問でございますが、「大学の実現の方法といたしましては、いろいろな選択肢があり得るところでありますが、これまで培ってきた信頼関係と実績を踏まえ、最も有力な選択としてミネソタ州立大学との連携を考えたものであります」と答弁させていただいております。そういうことでございますので、まさに、大学の実現の方法はいろいろな選択肢があり得ることと、最も有力な選択肢としてミネソタ州立大学との連携を考えたこと、同大学との交渉が不調に終わった場合には、県民の意向や議会の意見をお聞きしながら検討していく考えを述べさせていただいたものでありますので、御理解賜りたいと思います。よろしくお願いします。 ○議長(安杖正義君) 四十四番藤原君の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。 △午前十一時四十三分休憩 --------------------------------------- △午後一時一分再開    出席議員    四十四名    一番  加成義臣      二番  安藤 豊    三番  土谷勝悦      四番  菅原龍典    六番  工藤任国      七番  栗林次美    八番  大関 衛      九番  川口 一    十番  安杖正義     十一番  宮腰 誠   十二番  樽川 隆     十三番  平沢健治   十四番  小番宜一     十五番  村上 薫   十六番  小田美恵子    十七番  武田英文   十八番  金谷信栄     十九番  鶴田有司   二十番  冨樫博之    二十二番  穂積 志  二十三番  小田嶋伝一   二十四番  野原多津美  二十五番  原 盛一    二十六番  大野忠右エ門  二十七番  木村友勝    二十八番  加藤義康  二十九番  佐藤健一郎    三十番  中泉松之助  三十一番  佐々木長秀   三十二番  伊藤万治郎  三十三番  長谷部 誠   三十四番  能登祐一  三十五番  鈴木洋一    三十六番  菅原 昇  三十七番  大里祐一    三十八番  工藤嘉左衛門  三十九番  津谷永光     四十番  北林康司  四十二番  山田靖男    四十三番  佐藤次男  四十五番  辻 久男    四十六番  高久正吉  四十七番  柴田康二郎   四十八番  北林照助---------------------------------------     地方自治法第百二十一条による出席者          地方労働委員会会長職務代行者      宮腰一慶          他は休憩前に同じ--------------------------------------- ○議長(安杖正義君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 日程第一、一般質問を継続いたします。四十三番佐藤次男君の代表質問を許可することにして御異議ありませんか。     [「異議なし」と呼ぶ者あり] ○議長(安杖正義君) 御異議ないものと認めます。四十三番佐藤君の発言を許します。     [四十三番(佐藤次男君)登壇](拍手) ◆四十三番(佐藤次男君) 今定例会は、新世紀における初めての議会として、本県の将来を見据えた基本的な課題に関する論議を深めるとともに、現在の厳しい経済・雇用環境や農業問題、あるいは国際化、情報化への取り組みなど、山積する緊急課題について、的確かつ迅速な判断が求められております。また一方では、多くの県民の熱い期待を受けて寺田県政が誕生してからの四年間を振り返り、これまでの成果と今後の課題を総括すべき議会でもあります。そうしたさまざまな観点において、今定例会は、まことに重要な意味を持つ議会であるということを肝に銘じながら、県民クラブを代表して質問させていただきます。 知事が県政のリーダーたらんとして、県民にその所信を明らかにし、支持を訴えて以来、はや四年が経過しようとしております。当時の県政を覆っていた閉塞感を、私どもはいまだ鮮明に思い起こすわけでありますが、そうした閉塞した状況に少しでも風穴をあけ、県政にさわやかな風を吹き込んでもらいたいという県民の切実な願いが、県政改革に向けた大きな選択につながったものであろうと思います。 知事が就任以来、さまざまな困難な状況を乗り越えながら、食糧費問題や県木住、畜産開発公社等の問題の解決に一つ一つ果敢に取り組まれたこと、また、その解決に当たっては、常に透明なガラス張りの手法をとられたことに、県民は心から共感を覚えたのであります。 また、徹底して透明性の高い解決策をとられたことは、行政と住民が対峙するという観点からではなく、県政が県民、生活者の目線に立って問題の解決に当たるという、新しい県政の形をつくる確かな一歩となったものと、私は率直に評価したいと思うのであります。 しかしながら、私が、それ以上に重視したい点は、個々の問題の解決にとどまらず、こうした問題が噴出する底流に、戦後から営々と積み重ねてきた社会経済や行政システムの行き詰まりが横たわっていることを的確にとらえ、一時しのぎのびほう策ではなく、抜本的な行財政改革への取り組みを開始されたことであります。明治維新、戦後改革に次ぐ第三の改革として、地方分権の推進が我が国の焦眉の課題となり、国、地方を通じた財政運営の行き詰まりが、だれの目にも明らかになっているときにあって、知事が率先して取り組んでおられる、簡素で透明性の高い行政の実現を目指した行財政改革は、まさに時代を先取りしたものと思うのであります。財政の健全化、組織定員の簡素化、行政の説明責任の徹底と透明性の向上、第三セクター運営の健全化など、いずれをとっても県政が新しい時代に対応するため、決してゆるがせにできない課題であります。これまでの取り組みを通して、行政改革大綱に掲げた目標は、おおむね順調に達成されつつあるとは申せ、行財政の抜本的な改革に向けた取り組みは、これからが正念場であると言えましょう。今定例会冒頭における寺田知事の「行財政改革のさらなる推進は、秋田という地域の生き残りにつながるものであり、引き続き不断の改革に努める」という決意を重く受けとめ、今後とも徹底した改革に臨んでいただくことを強く願うものであります。 さて、これまでの行政改革大綱を着実に推進してきた結果、十二年度二月補正予算では、当初取り崩した基金を積み戻しした上、さらに将来の財政需要に備えて基金を積み増しするなど、十三年度までの行財政改革推進期間に収支均衡を図るという目標を達成することができました。また、十三年度当初予算においても、基金の取り崩しを前年度並みとするなど、本県の財政健全化に道筋をつけることができたことは高く評価するものであります。 平成十三年度当初予算案の内容を見ると、景気の低迷による厳しい経営環境や雇用情勢を一刻も早く改善するための支援や、県内の農家にとって深刻な問題となっている米の生産調整の緊急拡大への総合的な施策展開による対応など、今まさに、やらなければならないさまざまな手だてが講じられております。また、新世紀を担う子供たちを健やかに生み育てる環境づくりを進めるための乳幼児医療費や保育料に対する助成、すこやか奨学金の貸し付け開始など、三つの施策の柱を中心に、本県独自の子育て支援対策を実施するほか、身近なところでさまざまな福祉サービスが受けられる施策を展開するなど、子供からお年寄りまで、県民のだれもが健康で楽しく、そして安全・安心に暮らせる社会づくりのための予算がきめ細かに盛り込まれております。さらには、全国に先駆けての少人数学習の導入、全県各地を高速・大容量の基幹回線網で結ぶ情報ハイウェイの整備と、これを活用した情報ネットワークの構築、ボランティアやNPOなど地域に根差して活動する人々による男女共同参画社会の実現、環境の保全、個性ある地域づくりに対する支援など、時代の変化を先取りした施策を盛り込んで編成されており、骨格とはいうものの、寺田県政四年間の蓄積に基づいた、県民が将来に希望と夢を持てる予算に仕上がっているものと評価しております。 一方、歳入面では、地方財政対策の見直しなどにより、地方交付税は前年度当初より減額、県債については、公共事業等を留保したにもかかわらず臨時財政対策債を百億円計上したことなどにより、前年度当初の四・三%増となっております。 そこで、これからの財政運営についてお伺いいたします。我が国においては、バブル崩壊後、経済立て直しのための減税や数次にわたる経済対策を実施してきたわけでありますが、平成六年度以降、地方財政は多額の財源不足の状態が続いております。平成十三年度の地方財政は、十二年度に引き続き大幅な財源不足となっており、恒久的な減税による減収分を除いたとしても約十兆五千九百億円もの財源不足となっております。 この財源不足を補てんするため、従来の地方財政対策を見直し、財源不足のうち財源対策債等を除いた残りについては、国と地方が折半して、国負担分については一般会計から繰り入れ、地方負担分については各自治体が特例地方債、いわゆる臨時財政対策債を発行することで補てんされ、この元利償環金はその全額を後年度に地方交付税で措置されることになりました。この結果、十三年度末には四十二兆五千億円に達する交付税特別会計の借入金残高の増加は、ある程度抑制されることになりますが、地方財源のあり方についての抜本的な対策とはなっておりません。十三年度末の地方財政の借入金残高は百八十八兆円、国と地方を合わせると六百六十六兆円になる見込みで、これはGDP(国内総生産)の一・三倍にも達する異常な事態であり、将来的な国民負担、地方財政への影響が心配されてなりません。 本県においても、十三年度当初予算は、前年度に比べ地方交付税が減となる一方、県債は臨時財政対策債の発行増などにより増となり、県債残高が十三年度末で一兆三百九十九億円と、十二年度に比べわずかではありますが増加しております。県債の元利償還額の約六割が交付税措置されるとはいうものの、今後の財政運営の大きな課題となるものと思います。今後、本県では、景気・雇用対策を初め、少子・高齢化や高度情報化、国際化への対応、第六十二回国民体育大会の開催準備などを進めていく必要があり、将来的に地方交付税の伸びが期待できない中で、いかに財源を確保し、さまざまな行政ニーズに対応していくかが重要な課題となってきます。 このような厳しい財政状況の中で、地方財政対策の柱となる地方交付税制度も転換期を迎えているものと考えますが、知事は、このたびの地方財政対策をどのように認識しているのか、また、本県のこれからの行財政運営をどのようにかじ取りしていくべきとお考えなのか、御所見をお伺いいたします。 次に、市町村合併の推進についてお伺いいたします。国の地方分権推進委員会における第二次勧告や地方制度調査会の答申において、市町村合併の促進が提言されて以来、全国各地において市町村合併の気運が高まりつつあります。県の十三年度当初予算では、市町村合併フォーラムの開催、パンフレットの作成、住民レベルの合併に関する調査研究を支援するための助成などを行うこととしております。先ごろ行われた平成十二年の国勢調査によりますと、本県の人口は百十八万九千人となり、前回平成七年と比較して二万四千人も減少しております。また、平成三十七年には全国一の高齢県になるとの予測もあり、こうした人口減少や高齢化の進行は今後も加速するものと考えられます。国や地方が多額の借金を抱え、現行の地方交付税制度を堅持することが難しく、今後新たな財源確保の見通しが立たない現状においては、市町村が独自の施策を展開するのは困難であり、ひいては住民福祉の向上という市町村行政の目的も果たすことができないと思います。 その一方で、市町村の行政においては、ごみ処理問題や介護保険に代表されるような広域的な課題に適切に対応していくことが求められるようになっているとともに、自治体みずからの課題は、自治体みずからがみずからの力で解決するという自治、いわゆる地方分権の時代にふさわしい自治体が求められてきております。市町村がさまざまな行政ニーズにこたえながら、自己決定、自己責任の原則のもとに地方分権を実のあるものにしていくためには、何よりも専門的知識を有するテクノクラート群の充実と、国からの税源の移譲を含む財源の確保が前提となってまいります。 こうした条件を満たすためには、一定の人口規模が必要であると考えられ、このためにも、スケールメリットを生かした効率化を図るため、市町村の枠組みを変える市町村合併を推進することは必要であると考えます。市町村合併のさまざまな支援策を定めている市町村合併特例法の期限が平成十七年三月であることを考えますと、さらなる気運の醸成を図る必要も考えられます。知事は市町村合併に対してどのように取り組まれるお考えか、お伺いいたします。 次に、国際系大学の創設についてお伺いいたします。二十世紀は、科学技術の未曾有の発達によって産業や社会が大きく発展し、豊かな生活を享受することができました。しかし、物質文明は開花し、経済は成長し、同時に国際化も進みましたが、人間が人間らしく人類共通の価値を有するようになるまでには、国際的な学術文化の発達が強く求められております。 今日的時代の中で大きく目を開けば、二十一世紀の最大のキーワードは国際化であります。経済社会のグローバル化、ボーダーレス化を的確に見きわめ、直接世界の人々と接し、その国や民族の言語や文字、文化、思想、信条や宗教、産業、経済などなど、生き方や世界観を交流し、理解と認識を共有し、連帯していくことが重要であります。これを確実なものにするには、国際社会で活躍できる人材を育成することが急務であり、まさに時代の要請でもあります。幸い、本県は、日本海対岸諸国に近く、地理的な優位性を有し、未来を切り開く大きな可能性があり、釜山やポシエットとの航路開設、韓国との定期便の開設、さらに今年度はワールドゲームズの開催による世界の人々との秋田での集いなどなど、世界に直結する窓が開かれる本年こそ、本県にとってまさに国際化元年とも言うべき大いなる前進の年にしなければなりません。 こうした背景を踏まえ、いかにして本県の未来を切り開いていくかを考えたとき、環日本海地域と北米を結ぶ東西の結節点として、学術文化の交流拠点となる国際系大学構想は、世界経済をリードする米国の国際ビジネスコースをベースに、環日本海諸国を基礎から学ぶ北東アジアコース、成熟化社会への対応をテーマとする北米コースなど、本県にとって実利となる内容を備えております。ぜひとも県民挙げて実現しなければならない政策課題であります。このような充実した教育プログラムを備える国際系大学構想は、一年半にも及ぶ歳月を費やし、国の内外での各種の調査を積み上げるとともに、大学改革をリードする教育界や経済界などの有識者で構成する検討委員会において、六回にわたる専門的かつ多角的に熱心な論議などを通じて得られた成果であります。ミネソタ州立大学秋田校が十年を超える長期にわたって積み上げてきた実績と信頼関係を最大限に活用することが不可欠であり、既存の大学にない特徴を備え、二十一世紀においても生き残っていける大学として、その創設が可能との判断が示されたのであります。検討委員会の経過はすべて公開され、県のホームページなどでも広く県民に情報提供され、議会には節目節目において逐一報告と説明がなされております。検討委員会の結果を受けた県の基本的な考え方についても、十分な議論がなされてきたと認識しております。本県高等教育全体を充実させる上でも、大学間連携の中核的な役割を国際系大学が担うべきことなどを考え合わせれば、ミネソタ州立大学機構から確実に協力が得られる二〇〇三年四月開学こそが、またとない絶好のチャンスであり、この機を逃すことになれば県民にとっても不幸なことであります。現に、県内経済界や教育界を初め各界から、早期実現の強い要望が次第に高まってきております。肝心の高校生との直接対話においても、純真な期待が示され、また、国の内外からも熱い支援をいただいていると聞いております。県民クラブは、この国際系大学構想こそ、英断をもって、不退転の決意で実践すべきものと考えます。二〇〇三年開学に向け、知事の御決意のほどをお伺いいたします。 次に、NPO設立支援についてお伺いします。平成十年十二月にNPO法が施行され、二年二カ月が経過したところでありますが、この間全国では三千を超える団体が設立され、法人格を得て活発に活動を展開しております。秋田県においても、現在二十の団体が法人格を取得し、保健・医療・福祉やまちづくりなど、多様な分野での活動が行われております。 しかし、県内NPO法人の現状を見ますと、法人数では全国で三十三番目前後。数が多いことがよいことだとは申しませんが、県民性によるものか、ボランティア嫌いなのかは別としても、やや消極的な感は否めません。県では、あきた21総合計画の中で、自立とパートナーシップを基本的な視点の一つに掲げ、ボランティア、企業、行政が協力し、役割分担しながら地域づくりを進めていくこととしており、NPOはその中心を担うものの一つと位置づけ、活動環境の整備のため、ゆとり生活創造センターの建設を初め、NPO活動促進のためのさまざまな施策を講じていると承っております。 しかしながら、現在活動している県内の各NPO法人を見ますと、活動の規模も小さく、財政的な面でも基盤が弱い団体が多く、行政とのパートナーシップを対等に組めるようになるまでには、多くの経験と時間が必要かと思われます。これら基盤の弱い団体の育成を考える場合、何らかの支援が必要なわけでありますが、NPOの特性からして、その独自の使命感に基づく、自主、自立が基本であることから、一般的な助成は出し手の側、受け手の側の両者から、NPOの特性に影響を及ぼすことがあってはならないとの意見があるのも事実です。しかし、先ほど申し上げたように、さまざまな面で運営に苦慮しているのも実態であります。そこで、設立に取りかかり、法人登記が完了し、非営利活動に入るまでの当分の間の運営費の一定額に限って支援する方途はないものかと考えますが、いかがでしょうか。 NPOと行政はともに非営利で、公益的サービスを提供する組織であり、この点、NPOは行政のサービスを補充、補完し、仕事の橋渡し役ともなり得るし、いち早く住民のニーズを把握し、供給する機動性やNPOの特性を生かした活動は、住民サイドに立ったサービス提供ができるという点で、今後大きな期待を寄せられているゆえんでもあります。そのNPOを支えるものは、地域の理解と協力、支援であり、NPO活動への県民に対する意識啓発は、今後のNPO活動促進のための重要な課題と考えますが、この点についてどう対応されますか、お伺いいたします。 次に、食料・農業・農村基本法と農業政策についてであります。平成十一年に、食料・農業・農村基本法、いわゆる新農業基本法が制定されました。新農業基本法は、減少の一途をたどる食料自給率の向上、農業の再生などを強調し、基本計画策定のもと、具体的に施策展開が行われ、農業の再構築が行われるためのものとの視点からこれを評価し、生産農民にとっては、アリ地獄からはい上がる一縷の望みとなるものと期待をしたのであります。十三年産米以降は、基本的には減反面積が縮小されるであろう期待をも持ったところであります。ところが、食料自給率の向上とは裏腹に、緊急総合米対策で減反面積をさらに四万七千ヘクタール増の百一万ヘクタール、三七・五%に拡大し、作付面積は百六十八万一千ヘクタールに、主食用の生産量は八百七十万トンにと、いずれも前年を下回ることになりました。 十三年産米の生産計画では、米需給の改善に向け、米の計画的な生産を徹底するためとしているものの、百六十八万一千ヘクタールで主食用米をつくり、平年作の作況指数なら生産量は八百七十万トンとなり、年間の主食米需要量は九百三十万トンでありますから、単年度ベースでは六十万トンも不足することになります。十一万六千ヘクタール減反面積が多いことになります。加えて、畑作物や特用林産物などの輸入が増大し、生産者は押しつぶされる寸前になっているのに、セーフガードの発動は準備を要するとはいえ、遅々として進んでおりません。今、現実に、国の農政に従い、自立専業の悲願を達成しようと農地を集積した認定農業者は、減反と償還金の重さ、米価の下落に耐え切れなくなりつつあります。県として、これら現状の認識と秋田県の米づくり農業をどう維持していくのか、知事のお考えをお伺いいたします。 旧食管法には、再生産が可能な生産費所得補償の価格政策があり、また、旧農業基本法には、他産業従事者との所得格差の解消という所得政策があったのでありますが、食糧法、新農業基本法のいずれからも所得政策が排除されたことによって、急激に農業崩壊が加速されるのではないかと思われてなりません。今こそ、EUを初め農業大国が実施している農業者が安心して営農できる最低支持価格制度か、またはデカップリングの創設に向かって、農業団体や地方六団体等に働きかけ、国に対して要求すべきときと思いますが、いかがでしょうか。 今、農業に対する国民的要求は、価格は少々高くても、生産者の顔の見える食料の量と質の提供であります。起因するところは、底なしに下がる食料自給率、つまり量への不安と遺伝子組み換え等輸入食料の質への不信だと考えられます。今こそ、良質安全な農作物の計画的拡大と産直拡大のときにあると思われます。県はどのような戦略戦術を基底に、国民的視点での自給率向上と農業所得向上に取り組まれるか、改めてお聞きします。 次に、食料自給率向上と地産地消についてでありますが、一月十五日早朝、寺田知事はJAグループと一緒に新品種「めんこいな」でつくったおにぎりと、朝御飯の大切さ、ヘルシーパワーやダイエットの効果を書いたチラシ配布の先頭に立たれ、通勤、通学の方々から大好評を博し、「めんこいな」のデビューキャンペーン効果を上げられたことをお聞きし、大変うれしく思いました。 二十世紀から二十一世紀への前後二カ月間の日本列島は、北海道空知二十七市町村において、カレー粉以外の食材すべて地場産による空知カレーライス党の結成、福岡県での「めざせ!朝ごはん美人シンポジウム」、秋田市での「まるごと秋田をたべよう給食」の取り組みなどなど、地産地消の取り組みが大きな盛り上がりとなりました。また、農業関係団体でつくる朝ごはん実行委員会による、中学生の朝食と学習意欲調査なども行われました。 ここで、知事並びに教育長にお聞きします。パンとミルクの学校給食を大人になって台所まで延長したお母さん方の中から、スリムで、きれいで、健康な体は御飯食でとの米飯志向がふえてきています。秋田県の総合食品研究所の研究結果は、御飯、みそ汁、豆腐、納豆、野菜漬け、お茶などを組み合わせた日本食は最高の健康食であることを明らかにしています。また、農水省が行った抽出調査によると、学校給食の食料自給率、いわゆる給食自給率は緩やかに上昇をしております。米飯給食の回数と給食自給率が上がれば、将来大人になってから食する食事の食料自給率が必ず上昇しますし、食糧安保にも寄与することになります。今後、学校給食も含め、地産地消の取り組みを県民運動として、さらに具体的かつ広がりのあるものにすべきと思います。さらには、総合食品研究所において、米の他用途利用開発のため、米食品開発を行うべきと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。 また、小・中・高とも、知育、徳育、体育に加え「食育」を教育に位置づけたらいかがでしょうか。教育長にお伺いします。 次に、成瀬ダム建設に伴う農業者負担についてお伺いいたします。北の白神山地に匹敵する南の栗駒山地の秋田県側ブナ原生林は、ブナの代採により山地は崩壊し、豪雨のたびごとに、成瀬川は不安なほどまでに増水を繰り返してまいりました。植林杉や広葉樹の成長により、近年その不安も解消されつつあるところでありますが、国土交通省においては、成瀬川上流の東成瀬村椿川地内に、高さ百十三・五メートル、総貯水容量七千八百七十万立方メートル規模の多目的ダムとして、平成九年度から建設着手し、平成二十九年度に完成する計画と聞き及んでおります。多目的の一つには、農業用水利用もあるが、農家負担は一切ないと伺っておりましたが、ダム建設が現実のものとなってきた現段階において、果たして農業者負担が発生するようなことがあるのか、ないのか。もしあるとすれば、何のために、どれだけの面積に、どれだけの負担となるのかをお伺いいたします。 成瀬ダムについては、私が最初の農林水産委員であったころ、農業用ダムとして国に要望するため現地調査を行ったことがありましたが、「長期にわたって農家負担の発生するようなことは、安易に進めないでいただきたい」との声が、土地改良区を初め農業団体等からあり、調査を休止した経緯があったと記憶しております。もし仮に、農業者負担の発生する原因が、ダム本体への負担ではなく、水を利用するに至るまでの過程における負担であるとするならば、農業者からの同意は難しいものとなりはしないかと思われますが、いかがでしょうか。 近年、水田用農業用水は、生産調整に始まり、稲作経営安定対策や総合米対策に至るまで、新しい事業名が飛び出すたびごとに減反面積が増加し、並行して農業用水は用水路から田んぼに利用されることなく、その使命を果たさずに、排水路から一直線に河川に落ちて日本海に入る、いわゆる水余り現象であります。農業者は、水にも命があるならば、使命を果たさずに海に捨てられる「水の悲しみ」とともに、このことに共感するように、利用しない水にも水利費を払い、赤字の通帳を見ては涙するのであります。 とは申せ、雄物川流域の広大なる水田地帯では、特に中下流部において恒常的な水不足を来しているところもあります。上流より下流が高い田んぼ、あるいは保水力がない砂利層のざる田、砂れき層の塩辛田などのタテ水浸透の激しい地帯があります。もし、これらのかんがいのためであるとするならば、費用対効果を十分に検討するべきであり、合理的な方法を選択すべきと考えますし、ダムに連動して農業用水をつくる要因が食料・農業・農村基本法の食糧安全保障のためか、または農業の持つ多面的機能の発揮、いわゆる緑の政策のためであるならば、国営については全額国費で、県営については全額県費で行い、農業者負担を求めるべき性質のものではないと思いますが、いかがでしょうか。 次に、冷熱エネルギー利用実験結果と今後の見通しについてであります。日本国内に降る雪は、年間五百億から九百億トンと試算され、この〇・二%を冷房に利用するとすれば、出力百万キロワットの発電所十五カ所分のエネルギーを節約できる計算になり、しかも二酸化炭素を出さないから、地球温暖化にも全く無縁のクリーンエネルギーであります。豪雪地帯にあって厄介物である雪を冷たいエネルギーととらえ、夏の冷房や農作物の低温保存に活用する可能性はないものかと、秋田県においては野菜などの利雪保存の実用化試験を数年にわたって行ったものであります。 また、他県の豪雪地にあっても同様の実験が行われ、雪自体が解ける際に起こる融解熱の実用化の実例を見てみますと、九〇年の岩手県沢内村氷室農産物貯蔵庫を初め、一道四県二十七施設があります。特徴的なのは、利雪貯蔵したもみ米や玄米が、雪蔵の里「コシヒカリ雪蔵米」として売り出されていることや、「夏秋サクランボ雪蔵」、村営住宅の雪冷房、町営「雪だるま物産館」、市営老人保健施設などなど、官民ともに冷熱利用が進んできております。秋田県の当時の実用化試験では、施設費用が電気冷房より割高であり、実用化は困難とのことでありましたが、昨年九月、JA美唄がつくった玄米六千トン低温貯蔵倉庫の場合は、電気冷却より四〇%も安く完成したとのことであります。 クリーンエネルギーとして、民間や行政が冷熱利用する場合、さらに施設費を削減し、普及しやすくするためには、新エネルギー利用促進法の対象として冷熱利用システムを組み込む必要があります。また、地方自治体等が冷熱利用の実用化施設を整備する際に、国の助成制度を活用できるようになれば建設コストが低廉になり、その利用も加速化すると思いますが、知事のお考えをお伺いします。 次に、警察本部長にお伺いいたします。 平成十二年十二月末現在における秋田県の自動車運転免許の保有者数は六十七万六千六百人となり、免許取得適齢人口から見れば、二十世紀はまさに県民皆免許になった時代でもあります。今後、免許取得適齢に達した方も、そのほとんどの方が新たに免許を取得するものと考えられます。県警本部におかれましては、免許保有者の利便性向上のため、昭和五十七年から、平日はもちろんのこと、日曜日においても窓口を開設し、免許更新即日交付が実施されており、これにより免許センターにおける平成十二年中の更新者は、八万九千二百四十四人中約三三・六%の二万九千九百七十八人、一日平均にして約五百七十人の多くの方々が、日曜日窓口を利用されており、更新者からは大変喜ばれているところであります。免許センターでの平日即日更新、日曜日即日更新の便利さを求めて、県北、県南からも秋田市に集中するわけであります。また、平成十二年中に新たな免許を取得された方は、受験者三万四千八百三十七人、合格者二万二千四百四十人でありますが、新たに免許を取得される方々のために、大館、能代、横手において出張試験を、月に大館二回、能代、横手は一回行われております。しかし、出張試験は実施日が極めて少ないこと、試験に合格してから免許証が交付されるまで二週間も期間を要することなどにより、新規免許取得者で出張試験を利用された方は、受験者七百三十九人、合格者四百七十九人、それぞれ二・一%であります。秋田県内は、ミニ新幹線以外の在来線はあるものの、電車、バスともに陸の孤島であります。したがって、新規免許取得者の六〇・一%は、態様の違いはありますが、県央地区の方々に比して、免許取得のためには多くの時間と費用を必要とします。東北各県における免許証の即日交付体制は、岩手県は免許センターほかサブセンター三カ所、青森県は免許センターほか地域試験場二カ所、宮城県は免許センターほかサブセンター二カ所、福島県は免許センターほかサブセンター一カ所などなどでありますが、秋田県は依然として免許センター一カ所での対応でしかありません。 行政改革は、国民に対する行政サービスの公平化をも求めているものと思われます。秋田県においても、交通行政サービスの基盤整備を速急に行うべきと考えます。県民の生活者の立場からすれば、より身近にある既存の警察署を単位に基盤整備を行い、交通安全運動も含めた交通行政サービスの環境整備をしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 最後に、遠洋航海実習における危機管理についてお伺いいたします。去る二月十日、愛媛県宇和島水産高校のマグロはえ縄漁実習船「えひめ丸」とアメリカ海軍の原子力潜水艦が衝突するという信じられない事故がありました。今もって九名の方々が行方不明となっており、被害に遭われた方々とその関係者の方々の心中は察するに余りあるものがあります。 本県にも県立海洋技術高等学校に「船川丸」があり、現在、実習航海中でありますが、昨日、同じハワイ沖で漂流中の帆船を発見し、乗っていたアメリカ人四人を救助したという「船川丸」の快挙を報じるニュースが飛び込んできました。このたびの乗組員や先生、生徒の皆さんの親切で勇気ある行為を県民の一人として誇りに思っており、無事航海を終えて秋田に戻ってこられることを心待ちにしております。 さて、遠洋航海実習中にはさまざまな危機に遭遇する可能性も考えられます。「船川丸」の航海の海路や日程、実習海域を設定する際にどのような安全面での配慮がなされているのか、また、実習航海中における連絡体制を含め、危機管理体制はどうなっているのかを教育長にお伺いいたします。 以上で、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(安杖正義君) 県当局の答弁を求めます。     [知事(寺田典城君)登壇] ◎知事(寺田典城君) 佐藤議員の御質問にお答えいたします。 最初のこれからの財政運営についてでありますが、御質問の冒頭において、これまで私が目標としてきた透明性の高い行政運営や、時代の変化に対応した行財政改革に対して過分な励ましをいただき、改めて身の引き締まる思いがいたしております。議会初め県民の方々から、御意見、御叱声をいただくとともに、職員が心を一つに、日々業務に邁進したからこそと、改めて感謝をいたしております。これまでの取り組みにおいて、私が特に意を用い重視してまいりましたことは、これからの地方分権の時代は競争の時代でもあると受けとめ、地域の主体的発想を人々の多様な活動を通じて引き出し、一つ一つの地域課題の解決に向けて合意形成を図っていくことであります。そのためには、行政運営の透明度を高め、県民が行政に参画しやすい環境を整えるとともに、現場主義に徹し、県民と同じテーブルに向かい合い、地域の将来を論じ、政策の実践に努めていくことが必要不可欠であります。さらにまた、こうした変革の時代にあっては、何よりも行政自体が変わらなければならないという思いから、行財政改革に全力を傾けてまいったところでありますが、これからも改革の先に目指すものをより明確にお示しすることにより、目標を県民と共有し、新しい時代に躍動する県政となるよう努めてまいりたいと考えております。 さて、財政運営に関する御質問についてでありますが、このたびの地方財政対策に伴う臨時財政対策債の発行は、国と地方の責任分担の明確化、国と地方を通ずる財政状況の一層の透明化等を図るためには、やむを得ない措置と受けとめております。しかしながら、財源不足を交付税特別会計の借り入れで措置する方式が見直され、後年度に元利償還額の全額が基準財政需要額に算入されるものの、各自治体が特例地方債を発行することを余儀なくされる状況に直面し、改めて、地方財政全般にわたる財源不足を痛感し、国から地方への税財源の移譲の必要性を強く認識したところであります。今回の見直しによって、地方財政の健全化への道筋が見えてきたとは言えませんが、こうした地方財政対策の転換を契機に、地方分権推進の観点から、地方税財源のあり方について、さらに検討や議論が深められるよう求めるとともに、私ども地方自治体側からも具体的な問題提起を行っていく必要があるものと考えております。 また、今後の県財政の運営についてでありますが、新しい世紀において、県民一人一人が夢と希望を持って生きられる、元気で明るい秋田を築いていくためには、あきた21総合計画に掲げた少子・高齢化や国際化、情報化への対応を初め、県民生活にとって真に必要な事業を推進していく必要があります。県としては、これらさまざまな行政課題に対して、国の財政運営方針や経済の先行きが不透明な中にあっても、時を逃すことなく迅速に対応していかなければなりません。このため、事務事業の見直しや経費全般の節減など行政改革への取り組みを継続して推進するとともに、政策・事業評価システムに基づく的確な事業選択を行い、財源の重点配分と効率的な執行に努めることにより、足もとの財政基盤をしっかり固め、県がみずからの責任で、みずから施策を実行できる柔軟かつ機動的な財政運営を行ってまいりたいと考えております。 二点目の市町村合併支援についてでありますが、国も地方も財政状況が大変厳しくなる一方、地方分権が進展してきている中で、基礎的自治体である市町村においても、自立性と行財政基盤の強化の必要性が強く求められております。そのためには、行財政改革による効率化はもとより、市町村の政策立案能力を向上させるための体制整備を進める必要があり、市町村の枠組みを超えた取り組みも重要であると考えております。こうした観点から、昨年県では市町村合併支援要綱を策定したほか、分権フォーラムの開催や啓発パンフレットの作成配布を行うなど、さまざまな情報の提供に努めてまいりました。もとより市町村合併は、市町村及び地域住民の方々が十分な議論を重ねながら、その合意によって進めることが基本であると考えております。今後も、そうした地域の取り組みに対して、さまざまな形で情報を提供し、合併気運の醸成に努めるとともに、時代の要請に沿った広域的まちづくりに対し、市町村振興資金に無利子の資金枠を用意するなどの支援をしてまいりたいと考えております。 三点目の国際系大学についてでありますが、二十一世紀の最大のキーワードは国際化であるとの御意見をいただきましたが、私も全く同感であり、時代の大きな流れであります国際化にどう対処するかが、本県の未来を切り開いていく上で極めて重要であると認識しております。本県においては、地理的条件を生かし、ポシエット航路の開設など環日本海地域との交流の足場が築かれてきておりますが、特に今年は、八月にワールドゲームズが開催され、本県から世界に情報を発信するほか、世界へ発展していく基盤の一つである韓国との定期便の開設が見込まれております。こうした国際化への条件が整いつつある中で、これをさらに確実なものにするためには、何をおいても国際化に対応できる人材の育成が第一であり、今、提案している国際系大学の創設は、その中核となるものであります。改めて国際系大学に期待する役割や本県にとってのメリットなどについて申し上げたいと思います。 まず、教育上の実効性についてですが、県内の高校生に新たな高等教育の機会を提供するものであることはもちろんですが、この他にも、米国式の実践的な英語教授法の活用が、本県の教育にさまざまな効用をもたらすことを期待しております。現に、高校の英語教育において大きな成果を上げてきておりますが、今後、小・中教育の現場とも連携しながら、新たな局面を開き、活力をもたらしていきたいと考えております。 また、厳しい環境のもとにある本県の高等教育全体の充実を図る観点から、国際系大学は、国際教育などの分野で単位互換や教員の交流など大学間連携の中核的な役割を担い、みずからも任期制の導入などによって、改革志向を追求していくこととしております。 次に、地域振興上の貢献についてでありますが、その実践的な教育を通じ、語学能力はもとより、国際ビジネスや国際的な企画提案が可能な実務能力を備えた、国際社会で活躍できる人材の育成は、今、企業が求める即戦力を備えた人材への要請にもこたえるものであります。これに加え、国際系大学は、新たなビジネスセンスの養成や地域企業への経営コンサルなどの実施も予定しており、本県経済界にさまざまな刺激をもたらすことも期待できます。 さらに、県民の多様な生涯学習へのニーズにこたえることはもちろんですが、国際系大学そのものが、北米地域と環日本海地域との結節点として、海外から多くの教員や学生が集う学術・文化の交流拠点となるもので、秋田に集う多くの若者が、異文化世界の人々と異なった生き方を交換することなどによって、本県の活性化にも大きく寄与すると見込まれます。 以上のように、地域社会に多様な貢献をし、本県の未来にとってさまざまな役割を担うことが期待される国際系大学については、ぜひ早期の実現を図らなければならない重要課題であります。しかし、そのためには、ミネソタ州立大学機構との連携と、秋田校が培った実績の活用が不可欠な要件であり、二〇〇三年四月の開学目標に向け全力で取り組んでおりますので、何とぞ特段の御理解を賜りますよう、重ねてお願い申し上げる次第であります。 四点目のNPO設立支援についてでありますが、今後ますます加速する少子・高齢化や環境問題、まちづくりなど、地域社会をめぐるさまざまな課題を解決し、新しい二十一世紀の市民社会を形成するには、これまでの画一的になりがちな行政主導の地域づくりから、県民の多様なニーズに迅速に、きめ細かく対応できるボランティア・NPOの新たな視点による参画が重要になると考えております。県では、あきた21総合計画において、自立とパートナーシップを基本的な視点として掲げ、ボランティア・NPO活動の活性化に向けた環境整備の支援を行っていくこととしております。 こうしたことから、その一環として、平成十三年度にはボランティア資金の助成枠を拡充し、各種活動に対する助成限度額を大幅に引き上げるとともに、新たに、NPO法人の立ち上げ段階での費用負担を軽減するため、その法人設立に要する経費の一定額を助成するなど、ボランティア・NPO活動の一層の促進を図ることとしております。 また、住民参加型社会を形成する上で、NPOの意義や必要性がまだ十分に理解、認識されていない面もありますので、二〇〇一年国際ボランティア年を記念したフォーラムの開催を初め、学習機会の提供や情報誌の発行などさまざまな方法を講じながら、意識啓発や制度の普及を図ってまいります。 さらに、昨年、ボランティア・NPO活動の拠点施設として、ゆとり生活創造センターの建設に着手したほか、アトリオン内に開設したボランティア・NPO交流サロンは、会議、研修、相談や情報交換の場として、多くの方々に御利用いただいておりますので、今後も使い勝手のよい施設として、内容を一層充実してまいります。 五点目の食料・農業・農村基本法と農業政策についてでありますが、初めに、米対策については、米をめぐる最近の状況については、需給の不均衡等により米価が依然として低落基調にあり、また、本県の十三年産米の生産調整も過去最大の水準となるなど、大規模な稲作農家や規模拡大に懸命に取り組んでいる農家を中心に、経営の悪化や営農意欲の減退が懸念されており、こうした担い手農家が意欲を持って営農に取り組むことができるよう、早急に対策を講ずる必要があると考えております。 このため、今般、本県独自の水田農業経営強化対策を取りまとめ、緊急対策として、生産調整の緊急拡大分に対し助成金を交付するほか、米価下落の影響が大きい稲作主体の認定農業者に対して、国の稲作経営安定対策の九割補てんコースを選択した場合に、さらに一割をかさ上げし、十割補てんを行うこととしており、また、中期的な視点に立って、規模拡大や低コスト生産体制の強化、経営の複合化等による農業所得の確保、向上を着実に推進することとしております。県としては、今後とも本県の主要な食料供給基地としての役割を十分果たしていくため、こうした対策を市町村、農業団体等と一体となって推進し、本県の米づくり農業の活力向上に努めてまいりたいと考えております。 次に、新たな所得安定制度の創設についてでありますが、食料・農業・農村基本法では、農産物の価格政策について、行政が生産費や所得を保証するという考え方から、需要動向に応じた生産が行われ、また、生産者の創意工夫が価格に反映されるよう、消費者等の評価が生産現場に迅速かつ的確に伝達される市場メカニズムを重視する考え方へと見直しが行われました。他方、この見直しにあわせて、農産物価格の著しい変動が農業経営に及ぼす影響を緩和するため、米、麦、大豆等について、価格が下落した場合、過去の実勢との差額の一定割合を補てんする品目ごとの経営安定対策も導入されたところであります。 しかしながら、こうした対策だけでは、長期にわたって農産物価格が低落し続ける中にあって、農家が将来的な収入や所得の見通しを持つことが困難なため、担い手農家の経営意欲が減退しかねない状況になっていることも事実であります。 このため、県では、特に本県への影響が大きい米について、基準価格の十割まで補てんする措置を緊急的に講ずることとしておりますが、根本的には、育成すべき経営体が、今後とも意欲を持って経営改善に取り組んでいけるよう、農産物価格の変動にかかわらず、一定の収入ないし所得を見通すことができるような新しい制度が必要であると考えております。こうした現状を踏まえて、国でも経営全体をとらえた所得安定対策の創設に向け検討を行っており、ことしの夏ごろまでにその大綱をまとめるものと伺っております。県としては、本県の担い手農家が安心して営農に取り組めるよう、地方六団体などとも連携して、国に対し実効ある経営所得対策の早期実施を要請してまいります。 次に、食料自給率と農業所得の向上についてでありますが、国民的関心が高まっている我が国の食料自給率の問題について、その向上に積極的に貢献していくことは、食料の安定供給の担い手として本県が果たすべき大きな責務と考えております。また、この責務を全うしていくためには、本県農業を持続的に発展させていくことが必要ですが、このためには、健康や環境といった消費者ニーズを的確にとらえて、これを生産に反映させることにより、農産物の付加価値を高め、農業所得の向上を図っていくことが、何よりも重要な視点であると考えております。 このため、米に依存した生産構造からの脱却を目指し、自給率の低い大豆や飼料作物、収益性の高い野菜等の生産を拡大しながら、あわせて消費者の安全志向に対応して今年度から導入した減農薬等の認証制度を積極的に活用すること、直売や学校給食への食材供給などを通じて地産地消を一層広げていくこと等により、安全で安心な県産農産物の利用拡大に取り組んでまいります。 次に、地産地消についてでありますが、初めに、地産地消運動の推進については、地産地消の取り組みが全国的にも広がりを見せており、県といたしましても、本年度から、身近で顔の見える流通販売を進めるため、全県及び各地域において、生産者、消費者、流通関係者等が一堂に会し、地産地消に向けた具体策を検討するとともに、生産者と量販店等が連携して行う地場産農産物の消費・宣伝キャンペーンや直売施設の整備に対する支援など、総合的な取り組みを行っております。特に、学校給食につきましても、次代を担う子供たちが、食と農への関心を持ち、健康な生活が送れるよう、新鮮、安全な地場産農産物の利用を促進するため、生産者や給食関係者が話し合いの場を設け、共通の認識を持ちながらその推進を図っております。私自身も学校給食の試食会に足を運び、関係者からさまざまな意見を伺うとともに、食材への積極的な利用を働きかけてまいりました。十三年度においては、新たに健康、栄養の視点をも取り入れながら、豊かな食生活を進める食と健康アドバイザーの設置や地域農産物を活用した料理コンクールの開催、生産者団体が行う消費拡大キャンペーンの展開や消費者団体等が行う生産者との交流活動に対する支援など、事業の内容をより拡充し、地産地消運動のさらなる盛り上がりにつなげたいと考えております。 次に、米の他用途利用開発についてでありますが、総合食品研究所開設以来、県産農産物の加工特性を解明し、より付加価値の高い新食品の開発を基本研究テーマとしてまいりましたが、本県の主要農産物である米につきましては、主に加工処理方法の違いが、でん粉やたんぱく質の構造変化に及ぼす影響を究明しながら、高度な加工と新しい用途の開発に取り組んでまいりました。特に、今年度からは国の支援を受け、米特有の粘りを少なくし、スナック菓子の原料となり得る米粉の製造と、これを用いた加工食品の開発に取り組んでいるほか、高血圧予防に有効な食品の開発を目指して、米に含まれているペプチドの構造と機能の解析にも取り組んでおります。今後とも、食生活の多様化と国民の健康意識の高まりを踏まえ、多岐にわたる新たな米の用途開発に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 六点目の成瀬ダム建設に伴う農業者負担についてでありますが、成瀬ダムは洪水調節、水道、発電やかんがい等のため建設される多目的ダムでありますので、その建設費の負担については、これまでの多目的ダムと同様、かんがいにかかわる受益者負担分を県が肩がわりし、農家には負担を求めない予定であります。 次に、成瀬ダムに依存する農業用水についてでありますが、県内有数の穀倉地帯である平鹿平野地区は近年の営農形態の著しい変化に伴う水需要の集中化や、夏場の渇水期における河川水の減少等により慢性的な水不足を来しており、これまでの生産調整実施のもとにおいても一千七百台ものポンプによる地下水取水と番水実施で辛うじてしのいできている状況にあります。さらに、過去の国・県営事業で整備された頭首工等の基幹水利施設については、耐用年数を経過し、機能の維持が困難になりつつあることから、地元関係土地改良区や市町村で構成される促進協議会から、その抜本的解決策として不足水源の確保と施設の更新の事業化を強く要望されてまいりました。 県といたしましても、基幹的農業水利施設の計画的更新を重点施策として掲げており、国に対して精力的に働きかけを行ってきた結果、最も経済的な方策として、不足水の水源は多目的ダムに依存し、施設の更新は国営かんがい排水事業平鹿平野地区で実施することが認められ、平成十三年度から着工する運びとなったものであります。土地改良事業は、農業上の効果を発現させる事業で、応分の農家負担を伴うことが原則でありますが、総事業費の約四割を占める皆瀬頭首工については農家負担は伴いませんし、その他の施設についても、県としてはできるだけ農家負担の軽減を図るよう努めております。また、御指摘のような、水がかりのふぐあいの解消や末端までの用水の安定供給を図るため、附帯県営事業や関連する圃場整備事業等を今後とも地元農家の要望を踏まえながら、計画的に実施してまいりたいと考えております。 七点目の冷熱エネルギーについてでありますが、雪国である本県にとって豊富な雪を貴重な資源としてとらえ、クリーンな冷熱エネルギーの普及を促進することは、自然エネルギーの有効活用や地域振興を図る上からも必要なことと考えております。本県では、かつて湯沢市において冷熱エネルギーを利用した雪室の貯蔵試験を実施しましたが、湿気調整や採算性に課題がありました。 しかしながら、最近の新技術の開発によって湿度制御の向上や維持管理のコストの低減が図られてきたこともあり、農産物、酒造品等の付加価値を高めるため、冷熱エネルギーの利用を行っている例も見受けられます。今後、県としては、地場産業にマッチした冷熱エネルギーの利用促進について、大学、産業界等とも連携しながら検討してまいりたいと考えております。 また、新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法の対象に雪の冷熱エネルギーを組み入れ、風力、太陽光などと同様に助成制度を活用できるよう、全国雪寒地帯対策協議会を通じて国に対して働きかけているところであります。     [教育長(小野寺清君)登壇] ◎教育長(小野寺清君) 佐藤議員から御質問のありました教育問題二点についてお答えいたします。 一点目の食育教育の推進についてでありますが、本県におきましても核家族化が進むなどにより家族そろっての食事が少なくなり、子供を取り巻く食生活の状況についても、特に朝食抜きや偏った栄養摂取等の問題が指摘され、生活習慣病につながる健康問題が懸念されております。 このような状況から、県教育委員会では、これまでも学校給食を通じて栄養のバランスのとれた食事を提供し健康の増進を図ってまいりましたが、さらに楽しい食事をねらいとした指導も行っており、ふるさと教育や食の安全性を高めるため地場産品の活用も積極的に推進してまいりました。また、高等学校では平成六年度より男女とも家庭科を必修とし、生活の質の向上を目指した食生活の重要性について指導してまいりました。来年度からは、学校栄養職員を授業に直接参画させ、専門職の立場から実践的な指導を行うことに加え、米を中心とした日本型食生活の定着をねらいとする秋田県独自の「今だから、食教育」という指導カリキュラムを作成し、より一層食に関する指導の充実を図ってまいります。 二点日の遠洋航海実習における危機管理についてでありますが、まずもって、今回の「えひめ丸」の事故は、予測し得ない、あってはならない事故であり、行方不明者の一日も早い発見を心からお祈りいたしております。 「船川丸」の運航についてでありますが、航路や実習海域については、文部科学省や農林水産省の指導に基づき、全国の水産高校とも調整を図りながら決定しております。また、日程や実習内容についても、生徒の健康面を考慮した操業実習回数を設定し、さらに航海途中でホノルルに四日間程度寄港し休養をとるなど、これまでの経験やデータに基づいて安全性に十分配慮しているところであります。 次に、実習航海中における危機管理体制でありますが、日常的には、「船川丸」と学校とは無線電話やファクシミリで定時に連絡をとり合っており、船の位置を初め天候に関するデータ、生徒や乗組員の健康状態等を掌握しております。万が一、生徒や乗組員が病気になったり事故によりけがをした場合には、ヘリコプターによる緊急搬送を依頼する体制も整っております。当然のことではありますが、船内教育の一環として、脱出経路、救命胴衣の着用方法、危険箇所の説明、確認を行い、非常時に備えております。 今回の「えひめ丸」の事故の際には、直ちに校長が船長に対して一層の安全確保に努めるよう指示したところであります。 なお、緊急連絡体制の一例として、このたび偶然のことでありましたが、日本時間の十九日午後九時ころ、アメリカ沿岸警備隊から「船川丸」に対し、アメリカ船籍の帆船の救助依頼があり、直ちに校長、県教育委員会とも密接な連絡をとり合いながら、現地に向かい、無事救助したところであります。 今後とも実習船の事故防止については、人事を尽くして想定でき得る万全の体制をとってまいりたいと考えております。 以上であります。     [警察本部長(片岡義篤君)登壇]
    警察本部長(片岡義篤君) 御質問のありました交通行政サービスについてお答えいたします。 現在、運転免許の即日交付業務は、秋田市の運転免許センターにおいて行っております。 秋田市以外にサブセンターを設置した場合、免許証の即日交付を行うことができるほか、新規に免許を取得される方々の利便性を図るという観点から大変有意義であると考えております。 ただ、サブセンターの設置に当たっては、広大な敷地と施設や機器の整備を初め相当数の職員と講習担当者の育成など、ハード面や体制面で解決すべき課題がございます。 このため、遠隔地にお住まいの方々の利便を考慮したとき、技術的にはコンピューターオンラインシステムを充実させることで、警察署での即日交付が可能となりますので、県内数カ所の警察署に即日交付業務を行えるようにしたほうが、より現実的であろうと考えているところであります。 現在、警察庁におきましては、免許制度を簡素化する方向で法改正を含めた見直し作業が行われているところでありますが、県警察といたしましても、その作業推移や全国の情勢を踏まえながら、新規に免許を取得される方や免許更新される方々に警察署で即日交付できるようにするための施設、機器、体制面等の問題点を解決すべく、御提言いただきました趣旨を重く受けとめ、県民にとって最も効果のある施策となるよう検討してまいりたいと存じます。 ○議長(安杖正義君) 四十三番佐藤君の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。 △午後二時二十分休憩 --------------------------------------- △午後二時三十六分再開    出席議員    四十六名    一番  加成義臣      二番  安藤 豊    三番  土谷勝悦      四番  菅原龍典    六番  工藤任国      七番  栗林次美    八番  大関 衛      九番  川口 一    十番  安杖正義     十一番  宮腰 誠   十二番  樽川 隆     十三番  平沢健治   十四番  小番宜一     十五番  村上 薫   十六番  小田美恵子    十七番  武田英文   十八番  金谷信栄     十九番  鶴田有司   二十番  冨樫博之    二十二番  穂積 志  二十三番  小田嶋伝一   二十四番  野原多津美  二十五番  原 盛一    二十六番  大野忠右エ門  二十七番  木村友勝    二十八番  加藤義康  二十九番  佐藤健一郎    三十番  中泉松之助  三十一番  佐々木長秀   三十二番  伊藤万治郎  三十三番  長谷部 誠   三十四番  能登祐一  三十五番  鈴木洋一    三十六番  菅原 昇  三十七番  大里祐一    三十八番  工藤嘉左衛門  三十九番  津谷永光     四十番  北林康司  四十一番  児玉 孝    四十二番  山田靖男  四十三番  佐藤次男    四十四番  藤原俊久  四十五番  辻 久男    四十六番  高久正吉  四十七番  柴田康二郎   四十八番  北林照助---------------------------------------     地方自治法第百二十一条による出席者          休憩前に同じ--------------------------------------- ○議長(安杖正義君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 日程第一、一般質問を継続いたします。一番加成義臣君の代表質問を許可することにして御異議ありませんか。     [「異議なし」と呼ぶ者あり] ○議長(安杖正義君) 御異議ないものと認めます。一番加成君の発言を許します。     [一番(加成義臣君)登壇](拍手) ◆一番(加成義臣君) 社会民主党を代表いたしまして、知事及び県警本部長に質問をいたします。 私は、昨年の十二月議会において、この壇上で発言する機会を得ましたが、今また二十一世紀劈頭の議会で代表質問のチャンスを与えられましたことは、まことに欣快の至りでございます。 以下、通告をいたしました順序に従い質問をいたします。 初めに、知事の歴史認識と県政運営についてお聞きしたいと存じます。 さて、過ぐる二十世紀はいかなる百年であったのでありましょうか。私なりに二十世紀を総括すれば、その前半は革命と戦争の時代であり、後半は科学技術と経済成長の時代であったということができます。 戦争の時代に犠牲にされたものは、人権と福祉でありました。第二次世界大戦後も、数々の侵略戦争、独立戦争、宗教紛争、民族紛争などが多発し、世界は決して平和だったわけではありませんでしたし、人々は核戦争の脅威に打ちひしがれた時期もありましたが、総じて、幸いにして人類は大規模な戦争を経験しないで済みました。 経済成長は、諸国民の生活水準を向上させましたが、他方で地球環境の破壊的危機を現出し、人類の生存を脅かしかねない状況になっています。 一方、政治的面から見るならば、我が国の二十世紀は中央集権の世紀であったということが、これまたできます。明治国家は戦争遂行のため中央集権を一層強固なものにしましたし、「地方自治」の一章が憲法に書き込まれた戦後においても、地方分権や自治は画餅にすぎなかったと言っても過言ではありません。 したがって、私は、二十一世紀に目指すものとして、大きくくくれば、順序はさして重要ではありませんが、環境、福祉、平和、人権、そして地方分権であろうと思うのでありますが、新世紀の初めに当たって、知事の歴史認識と、さらには二十一世紀がどのような時代となれば望ましいとお考えか、所信の一端をお聞かせいただきたいと存じます。 来月に知事選の公示が迫り、知事は一期目の任期を終えようとしています。我々社会民主党がこのたびの知事選において寺田氏を推す理由は、第一に食糧費問題を初めとする県政のいわゆる負の遺産を英断をもって処理したことであります。このことについて、負の遺産の処理は寺田氏でなくともできたと公言する向きもありますが、果たしてそうでありましょうか。 具体的に考えたいと思います。四年前、寺田氏の対抗馬であった方が当選したとした場合、その方の出身母体、出自から考えて、負の遺産の処理が中途半端に終わり、そのため職員の意識改革も進まず、県政は今なお低迷のふちに呻吟していたであろうことは想像にかたくありません。この一事をもってしても、寺田氏のなしたことの大きさがわかると思います。 知事はまたこの四年間、へんぱのない公平・公正な政治を心がけ、かつ実践をしてきました。さらには、県政上のさまざまな課題、地域課題について、諸団体、地域団体、業界団体、あるいは県民との直接対話方式を多用し、このことが全体として県民の政治参加意識の醸成につながっていることは評価をしたいと存じます。そして、あきた21総合計画の策定によって、二十一世紀の秋田に具体的方向性を与えたことは特筆に値するものと思うのであります。この計画においては、政策ごとに具体的に目標値を設けたこと、目標達成のため県民運動を組織する姿勢を見せ、計画の策定と実施方策に新機軸を打ち出したことが特徴的であります。内容的には、生活者重視、生活密着型事業の充実が評価されるのであります。 こうして、今や寺田知事は、改革派知事として全国的に「秋田に寺田知事あり」と言われるようになったことは、県民の一人として実に喜びにたえないところであります。 そこで質問ですが、この四年間で知事御自身は何をなし遂げることができたとお思いか、あるいはまた、知事として四年間についての率直な自己評価をお伺いしたいと存じます。 次に、政治的リーダーシップのあり方についてお伺いをいたします。我が国では、従来から組織運営、組織的決定の手法として、ボトムアップがとうとばれてきました。この手法は、組織を構成する人々の相反する利害によって中和されるため、一般的に必要な改革をおくらせる機能を果たしてきたということができます。その点、戦後初めての民間出身者としての知事は、その政治手法が一部の方々からの反発を生んだことは確かでありますけれども、トップダウン、スピード、機動性などを政治・政策運営の仕方に持ち込んだことは、秋田県の政治文化に新風を吹き込んだものとして評価できると思います。こうした手法は、企業経営や、あるいは政治的部面でも、目標が単一で、単に量的なこと、テンポを決定すれば足りる場合には有効でも、あらゆる場合に適切な手法だとは必ずしも言い得ないと思うのであります。 そこで、これからの打ち続く改革の時代、解決すべき課題は複雑さを増すと思いますが、知事はリーダーシップのありようについて、どのようにお考えかをお聞かせください。 次に、国際系大学構想の推進についてお伺いをいたします。 このたびの二月議会は去る十六日に招集されましたが、前日の十五日、ある新聞は、「国際系大学が焦点/一五年開学へ最大のヤマ場」との見出しで二月議会のことについて報じています。恐らく、県民の関心も高いものと思われます。国際系大学の構想の推進については、これまで県議会の総務企画委員会で十分な論議がなされてきましたし、昨年の十二月議会で、高等教育に関する特別委員会が設置せられ、ここでも論議が積み重ねられてまいりました。 もっとも、この特別委員会は議論の先延ばしの目的を持ってつくられたため、私はあえて、さきの議会で反対討論に立った次第でございました。それはそれとして、結論的に言えば、議論は既に尽くされたと思います。県側もこの間、種々の資料を整え、でき得る限り誠意を持って説明と答弁に当たってきたことについては敬意を表するものでございます。 私はここで細部にわたることをお聞きしようとは思いませんが、新年度予算に設置推進事業費が計上されたことは、新しい段階に達したことだと思いますので、以下の点をお尋ねをいたします。 県が推進しようとする政策については、議会、県民の間に批判や反対が全くないというのはある意味では大変不自然なことであります。ですから、私は議会多数派の方々が反対していることそのことについてどうこう申し上げませんが、問題は反対の理由であります。聞くところによりますと、その理由は、構想の内容の適否ではなく、この国際系大学構想を推進しようとする知事が自分たちの推す知事ではないということにあるらしいのであります。もし、そのような理由で反対されるのであれば、この件に限らず、政策の遂行はことごとく阻害されるでありましょう。このような場合、県当局としては県民世論の動向をきちんと見据えておく必要があると存じます。そこで、私は、県民世論の大勢はこの構想を推進すべしにあると観測しておりますが、知事はどのようにお考えでございましょうか。 あわせて、去る一月十九日に経済人を中心に、国際系大学設置促進協議会という民間団体が結成をせられ、今議会に国際系大学(学部)構想の早期実現を求める請願書が提出されていますが、知事はこのような世論の盛り上がりをどのようにとらえていらっしゃるのか、お聞かせください。 次は、二〇〇三年四月に予定されております開学時期について伺います。私は、さきにこの点について、ミネソタ大学機構との間のこの間の一連の交渉の結果として、双方の合意による開学時期の設定であるので、これを外すことは国際信義にもとると主張をいたしました。また、事をなすに当たってはタイミングということがあるものと存じます。ましてや相手のある場合ではしかりであります。そういう観点から、県側がたびたび明言してきた「開学時期がずれ込んだ場合、ミネソタ大学機構側の協力を得るのが困難」ということに大きな関心を払ってまいりました。そこで、開学時期がずれ込んだ場合、この構想がついえるほどのダメージが予想されるのですが、この点についても詳しくお聞かせください。 次に、市町村合併と地方分権、自治のあり方についてお伺いをいたします。 地方自治法の抜本改正を含む地方分権一括法が昨年四月から施行され、確かに我が国の地方分権は新しい時代を迎えたということができますが、一方、税財政権限の主要部分は相変わらず中央省庁の手にあり、また、分権推進委員会の勧告にもかかわらず機関委任事務の廃止に伴い廃止されることになっていた膨大な通達群も、その廃止リストを提示した省庁はまだ一部にとどまっています。「分権改革いまだならず」の感を深くいたします。 こうした背景の中で、平成の大合併のかけ声も高らかに、かつて自治省、今、総務省主導の、言ってみれば国家主導の市町村合併が大々的に進められようとしています。果たしてこのような合併が地方分権、地方自治の趣旨にかなうものなのかどうか。 大きな流れとしては、自治省の指示に基づいて、各都道府県が、市町村合併推進要綱というものを作成しています。我が秋田県は、昨年六月、推進要綱ではなく、秋田県市町村合併支援要綱を作成し、市町村を初め各方面に配布をいたしました。その要綱の冒頭に、要綱制定の趣旨としてこう書かれています。「合併は、市町村のあり方の問題であり、最も「自治」が尊重されなければならないテーマであって、まず市町村と住民が地域の現状や課題に対する情報を共有しながら、その是非を含め、大いに議論をしていくことが重要である」と。その言やよし。市町村合併はあくまで関係自治体の自主性に基づくものでなければなりません。 したがって、今、国が市町村合併を促進するため、なりふり構わず、特例という名のむき出しの利益誘導を図ってきている現状からすれば、県の態度は評価に値するものと考えますが、そこで質問の第一は、市町村合併に当たって、県は、県民、あるいは市町村からいかなる役割を期待されているとお考えかを、まずお聞かせをください。 第二は、私が評価するとした、繰り返しになりますけれども、「合併は、市町村のあり方の問題であり、最も「自治」が尊重されなければならないテーマであって、まず市町村と住民が地域の現状や課題に対する情報を共有しながら、その是非を含め、大いに議論をしていくことが重要である」との態度、スタンスを今後とも堅持できるかどうかを伺いたいと存じます。 第三は、県の要綱は自治省の指示を受けてのものである以上、合併のデメリットに触れることがないか、極めて少ないのでありますけれども、「合併の是非を含めて、大いに議論することが重要である」からには、デメリットについても広範な検証をし、正確に住民に伝えるべきだと思いますが、知事の御見解をお伺いしたいと存じます。 次に、県のIT基本戦略についてお伺いをいたします。 今、IT--情報技術の革命の波が、経済社会、政治・行政、教育・文化、医療・福祉など、我々人間活動のあらゆる部面を覆っています。これが、一種の社会革命であるからには、我々は好むと好まざるとにかかわらず、この影響を免れないものと思います。 さて、県は、庁内組織であります県IT戦略本部と学識経験者から成るあきたIT戦略会議を設置し、新たな五カ年計画、あきたIT基本戦略を年度内に策定する手はずになっています。この基本戦略は大きく分けて、ハード面では、現行の県高度情報化推進計画を一年前倒しして終了させ、あきた21総合計画では、二〇一〇年度までに行うこととしていた各家庭への光ファイバー網の整備を二〇〇五年度までに完成させること、同時に、今構築中の秋田情報ハイウェイを全国に先駆けて二〇〇二年度中に県内の全市町村を結ぶという非常に意欲的な計画であります。また、ソフト面での眼目は、パソコンによる読み書き能力、操作能力、いわゆる情報リテラシーを高めるための県民五万五千人を対象としたパソコンの無料講習会の実施を内容とするものであります。 情報化については、あきた21総合計画の中で「暮らしと産業を豊かにする情報化先進県秋田の創造」という政策タイトルのもと取り上げられているところですが、そこで、質問の第一は、基本的な問題でございますけれども、IT化、情報化によって暮らしと産業を豊かにするだけでなく、県民自治や秋田県という自治体の民主主義がどのように進展するのか、あるいは進展させようとするのかをお伺いしたいと存じます。 第二は、県が示した、あきたIT基本戦略検討課題(案)にはありませんが、情報格差、言うところのデジタルデバイドの解消ないしは縮小について、あらかじめ検討課題に入れ、具体的方針を出すべきだと思います。なぜなら、デジタルデバイドが、生活格差や経済格差を一層大きくする危険があるからです。知事のお考えをお聞かせください。 第三は、ハード面の整備手法と財源についてです。六月に運用開始をする秋田情報ハイウェイの基幹回線網を二〇〇二年度で市町村との接続を終えるとしていますが、問題はその先です。これについては、市町村から各家庭までの高速通信網については、光ファイバーやケーブルテレビなどの高速通信網を整備しようとする市町村や第三セクターなどに財政支援すると言われていますが、現に高速通信網の整備は民間によって行われていることを考え合わせると、整備手法について具体的なイメージがわきません。現段階でどのような手法が具体的に考えられるのか、地理的条件などを加味してお示しいただければ幸いでございます。また、全家庭に光ファイバーを接続した場合の県の財政負担はどの程度になるかもお示しください。 この項目の最後の質問は、当面、県民五万五千人を対象としたパソコン講習会の講師の確保についてであります。パソコン講習会は既に今年度から行われておりますが、まず、今年度計画どおりの講習を行うために講師数の確保はできているのかどうかをお伺いいたします。 初心者向け講習の場合、講師数の確保とともに、その質も大いに問題としなければなりません。そこで、来年度の講師の確保について、その主な調達先と大まかな人数、平均的な経験年数がどこら辺になりそうかについてお知らせください。また、中期的には、高度情報化社会の人づくりの一項目に県が挙げているように、ボランティア、NPO団体等との連携は極めて大事だと思いますが、この点についてどのように進めていくかをお尋ねいたします。 次に、大王製紙株式会社の秋田進出断念についてお伺いをいたします。 大王製紙の秋田進出について、我が社会民主党は、不確定要素が多かったことから、さまざまな条件を見きわめる必要があると考え、県が行ってきた一連の事業の凍結を一貫して主張してまいりました。この観点から見ますときに、大王の秋田進出断念の表明を「寝耳に水」、「青天のへきれき」ととらえる県当局のとらえ方は、みずからの情報収集力や分析力の不十分さについて反省がなく、いささか疑問なしとしません。さはさりながら、進出断念が表明されてからほぼ三カ月、我が国を代表する製紙会社で、一部上場企業である大王製紙株式会社のこの問題への対応を見るとき、これが日本を代表する大企業のすることかと唖然とせざるを得ないのであります。いわく、「進出断念のことは雑談の中で話した」、いわく、「断念ではない。進出したくとも、事実上不可能だ」、またいわく、「十三年四月着工は無理」などなどの発言は、企業の社会的責任ということについて、全く認識を欠いていると断ぜざるを得ません。 さて、このたびの断念問題は、大王という企業の社会的責任を問う問題であるとともに、我が県の産業化政策のあり方を問う問題でもあります。確かに、第一次産業のほか見るべきものが余りなかった時代にあっては、企業誘致は産業化の大きなてこであったし、実際成果も上げましたが、反面、受け入れ側としては企業の論理に翻弄されてきたということができます。その意味で、今回の事態は本県の企業誘致政策に変革と反省を迫るものであると存じます。改めてこれまでの企業誘致政策をどう評価するか伺いたいと存じます。その上で、これまで同様の誘致政策を続けていくおつもりなのか、そうではなくて、今後本県の産業化の重点をいわゆる内発的発展型に移行させる考えはないかをお伺いいたします。 次に、当面する大王製紙との交渉について伺います。 まず、いわゆる三者協議についてであります。大王製紙の秋田進出断念問題が出てきて以来、三者協議は事務レベルで既に二度にわたって行われてきましたが、大王側は、みずからは断念を明確にせず、断念を前提とする協議には応じられないなどとするなど、極めて巧妙な、あるいはこうかつな作戦に出てきています。このまま推移すれば、進出断念が大王の意思とは全く無関係だと主張されかねません。県としては、このような局面をどう打開するつもりなのか、その手だてをお聞きしたいと存じます。大王が正式に断念するまで動きがとれないなどと言っている場合ではないのではないでしょうか。三者協議は覚書でも基本協定でも触れられていますが、そもそも大王の秋田進出のもととなった覚書や基本協定は、法律的にいかなる性質を持つものでありましょうか。県は、これら覚書や基本協定をもととした、具体的請求権を大王製紙に対して持っているとお考えかどうかをお尋ねいたします。 次に、このことと関連をして、大王製紙が、進出することの担保として県に差し出した五十五億六千六百万円の違約金についてお伺いをいたします。違約金は担保措置を講ずる覚書の形になっておりますが、この内容は極めて漠としたものであります。県としては、この覚書と違約金が法律的にどのような性質を持ち、どのような場合に具体的にこの違約金に対し担保権の実行が可能と考えているかをお聞かせください。 次は、今、仙台高裁秋田支部に係属している、県が被告となっている大王関連の訴訟についてであります。この控訴審は、御承知のとおり、昨年七月に結審したのでありますが、大王製紙の進出断念によって、訴訟の意味が全く揺らいでまいりました。訴訟のうち、補助金差しとめ請求は進出断念となれば、訴えの利益がなくなると考えられますが、これと直接関連しない、産業廃棄物処分場については、原告側は将来処分場に使われないことがはっきりするならば、訴訟取り下げを含め、話し合いで解決したいという意向を持っていると伝えられています。県としてこのような話し合いに応ずる用意があるかどうかを伺います。 次に、当面する警察のあり方について、県警本部長にお伺いをいたします。 ここ数年、神奈川、新潟の両県警などで相次いだ不祥事の連続によって、国民の警察に対する信頼は地に落ちました。秋田県警ももちろん例外ではありませんでした。しかし、警察に対する国民の深刻な批判を受けて、不十分ではありますが、警察刷新会議が打ち出した緊急提言を受けて、警察庁がまとめた警察改革要綱などが実施に移されつつあります。我が秋田県警も、こうした動きの中で警察運営の基本方針を十年ぶりに改定し、同時に重点目標の手直しを行い、新たに組織改革の推進をその重点目標の最上位に位置づけました。この組織改革が奏功し、警察組織の宿痾と言われている閉鎖性や密室性が少しでも改善されることを望むものですが、私は、これが成功するには警察全体の意識改革が先行しなければならないと考えます。 それでは、意識改革とは何か。私は、それは警察官に対する人権教育だと考えます。警察に対する国民の批判の視点はさまざまでありますが、その根底には警察の人権意識の希薄さに対する不信があると思います。警察は法律に基づいて強権を発動することができ、市民の生殺与奪の権を握っていることを考えれば、警察に対する市民の信頼は、警察がいかにして市民レベルの人権意識を持つことができるかどうかにかかっています。 そこで質問ですが、秋田県警察として、警察学校における教育はもちろん、ふだんの教育研修において人権教育がどのようになされてきたか、具体的にお答えをいただきたいと存じます。また、あわせて改定された基本方針あるいはそれに基づく重点目標の中で、人権教育はどのように位置づけられるのかをお伺いいたします。 次に、来年度から県公安委員会と県警が秋田県情報公開条例の実施機関に加わることに関連をして質問をいたします。県は、県警などが秋田県情報公開条例の実施機関に加わることについて、県公文書公開条例審査会に対し、条例改正の必要性を諮問いたしました。このため審査会では警察からのヒアリングを行いましたが、その際、県警側は、捜査情報の秘匿性や情報を全国一体で運用することの必要性など警察情報の特殊性を強調し、県警の公開・非公開の判断、いわゆる第一次裁量権の尊重規定を盛り込むべきことを主張したと伝えられています。第一次裁量権の問題は、さきに宮城県においても、県当局、県警、議会の間において大きな論争となったのでありますが、この際の警察庁や宮城県警の、この尊重規定を設けるべきだという主張は必ずしも説得的ではありませんでした。仮に、公共の安全や秩序の維持に支障が生ずるおそれのある情報は公開しないことができるとする現行条例にかえて、公共の安全や秩序の維持に支障が生ずるおそれがあると実施機関が認めることにつき--この場合警察でございますが--相当の理由がある情報などとする規定を設けた場合、情報の性質からしてどうしても恣意的な運用になる危険をはらんでおります。せっかく警察等が情報公開の実施機関になるのであるからには、また、新たなる基本方針を確立するやさきでもあり、新生秋田県警の実を上げるため、私は、少なくともこのような規定には警察の側から第一次裁量権の尊重規定に厳格な限定を加えるべきであると思いますが、県警本部長の御見解を承りたく存じます。 次に、警察署協議会についてお伺いをいたします。これは、さきの警察法の改正に基づき、住民の要望、提案を幅広く聞き、警察活動や犯罪の予防に反映させるため、県内十七の警察署ごとに警察署協議会を設置しようとするものであります。私は、設置そのものには賛成でありますが、問題はこの協議会を構成するメンバーの人選がいかに公正に行われるか、そして協議会の運営を警察署や警察署長の影響力から少なくとも相対的に独立したものとするかが、この新しい制度の成否を左右すると思っております。戦後我が国は、警察制度民主化の一環として公安委員会制度を導入いたしました。最近に至るまでの警察のさまざまな不祥事の原因の一つが、警察行政を外部から国民的、あるいは市民的立場でチェックするという公安委員会に期待された機能が十分に発揮できなかったことにあると思うのであります。公安委員会と警察署協議会が同じだと私は主張するものではありませんが、新しい制度の導入に際し、次のような提案を行い、本部長のお考えをお聞きしたいと存じます。 まず、人選についてであります。これについては、各署の協議会の定員のうち過半数は当該署管内の選挙人名薄からアトランダムに選ぶ方法を採用することができないかどうか。運用に関しては、事務局機能を警察以外のところにゆだねられないか。さらには、会議の公開についてはどうお考えかをお尋ねいたします。 最後の項目になりますが、県中央部という地域課題に関連して、産業活性化に資する物流の改善点について質問をいたします。我が県の産業活性化については、さきの大王製紙の関連で少しく論じたところでありますが、さまざまな対策が検討され、実施されておりますが、残念ながらいまだ目覚ましい成果が上がっておりません。平成十年三月に県が策定した秋田・北東北アジアゲートブリッジ構想も、構想としてはすばらしいものがありますが、具体的動きは鈍いと言わざるを得ません。机上の空論ではなく、実効を上げる政策展開を期待する気持ちから、具体的な質問をいたします。 質問の第一は、秋田港へのアクセス道路の整備についてであります。港湾が機能するためには、後背地とのアクセス条件の改善が必須条件であるという認識はお持ちのことと存じます。外港地区と向浜地区を結ぶ港口連絡道路についてさまざまな議論が行われておりますが、秋田港と高速道路のインターチェンジを結ぶアクセス道路の整備も万難を排して取り組むべき課題だと存じます。仙台港が特定重要港湾に指定されたことにより、同港の整備が飛躍的に進むでありましょう。このまま手をこまねき、秋田港と秋田北インターチェンジとのアクセスが悪い状態を放置、看過するならば、北上地区の貨物も利便性の高い仙台港を利用することになります。今、秋田港にとって必要なのは、遠い将来のための計画ではなく、すぐにでも着手できる改善策なのです。アクセス道路設置の重要性について、知事のお考えをお聞かせください。 次に、秋田空港、秋田港のCIQの整備についてお伺いをいたします。マスコミ報道にもありますとおり、CIQの整備につきましては鋭意御努力されており、評価に値するものと考えております。しかし、現在、監督官庁と交渉されている力点は、人の交流のほうに傾斜している感が否めません。定期航路を維持するためには、航空貨物の集荷を行う必要があります。そして、航空貨物の集荷をする場合、現在行われているCIQ対策に加え、食品検疫と動物検疫の整備が必要です。現状では食品検疫が平日の勤務時間内にしか行われないため、金曜日の夕方に秋田港に陸揚げされた魚介類の検疫が月曜日になってしまい、鮮度が落ちてしまったという事例もございます。食品検疫の監督官庁である厚生労働省と、動物検疫の監督官庁である農林水産省への働きかけを、気運が高まっている今こそ行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。知事の御所見をお伺いいたします。 最後に、秋田県環日本海交流拠点構想の具現化についてお尋ねをいたします。構想の中に、「これまでの友好、親善的交流に加え、経済交流や技術交流など実務的レベルでの交流を一層促進する」とありますが、まことに時宜を得た感覚だと存じます。御承知のとおり、本県の特色を打ち出すことのできる対岸交流は、現時点では本県だけが持つポシエット航路であり、その交流先は中国北東部が有力です。とりわけ本県に近い吉林省東部にある延辺朝鮮族自治州は、人口二百二十万人を擁する将来性豊かな地域であり、自治州内の市としては、州都の延吉市を初め、琿春市、図們市などの市があると聞き及んでおります。 さて、本県は吉林省との友好関係を推進しておりますが、経済交流に関しましては、まさに延辺朝鮮族自治州に集中していると言っても過言ではありません。実務レベルでの交流こそが本県経済の活性化を促すものであり、同自治州との交流を積極的に推進すべきときに来ていると考えます。さらには、秋田市と延吉市、〇〇市と琿春市、〇〇市と図們市といった多角的な友好関係ができれば他県にまねのできない強固なつながりができるのではないでしょうか。経済制度や行政の違いを超えた連携を強く望むものであります。知事のお考えをお聞かせください。 以上をもちまして私の質問を終わります。御清聴まことにありがとう存じました。(拍手) ○議長(安杖正義君) 県当局の答弁を求めます。     [知事(寺田典城君)登壇] ◎知事(寺田典城君) 加成議員の御質問にお答えいたします。 私の政治姿勢についてでありますが、初めに、歴史認識と二十一世紀の展望については、二十世紀の日本は、幾多の苦難を経ながら大きな経済発展を遂げ、高度な物質的な豊かさと人生八十年の長寿を享受できる社会を実現いたしました。しかし、一方で、環境の破壊や少子化の進行などの問題が生じるとともに、ゆとりや心の豊かさが失われがちになり、改めて人間の幸せとは何かを考えさせられた時代でもありました。また、世紀の終わりにかけては、グローバル化が進展する中で、バブル経済が崩壊し、それまでの繁栄を支えてきた日本型システムがほころび、将来への不安や閉塞感が社会全体に広がる中で、新しい世紀を迎えたと認識しております。 二十一世紀を展望いたしますと、大きな流れになりつつあるIT革命や国際化がさらに進展し、これまで以上にスピードが求められる時代になると考えており、これに的確に対応できるシステムを構築しながら、社会の活力を高めることが重要になると思います。また、かけがえのない自然や環境の保全が優先されるとともに、これまでの物の豊かさから心の豊かさ、すなわち人間らしく生きていくことが重視され、人々は自由に使える時間にも新たな価値を見出し、長寿社会をよりよく生きることを求めていくものと考えております。 こうしたことから、私は、二十一世紀の秋田は、世界と結ばれ開かれた社会の中で、県民一人一人が夢とロマンを持って個性的な生き方を追求するとともに、NPOやボランティア、企業など多様な主体がパートナーシップを発揮し、活躍している「時と農かに暮らす秋田」であってほしいと思います。 次に、四年間の成果と自己評価についてでありますが、県政を運営するに当たり、私が最も意を尽くしてまいりましたことは、公正で明るく開放的な県政を実現することにあり、そのため、何よりも、県政の実情を包み隠さず県民の前に示し、説明責任を十分果たすことを心がけてきたところであります。県政を揺るがした食糧費や畜産開発公社などの困難な問題に対しても、こうした基本姿勢で取り組み、県民の皆様に納得していただける形で解決し、県庁の問題先送り体質を断ち切ることができたものと考えております。また、情報公開制度の抜本的な改正、全国に先駆けた政策・事業評価制度の導入、審議会等の公開などに行政改革の一環として取り組み、公正で透明性の高い行政システムの確立に全力を尽くしてまいりました。 こうした取り組みを通じて、全体の奉仕者であるという職員の意識改革が進むとともに、県民に身近で、開かれた、ガラス張りの県政が定着してきているものと考えておりますが、今後はさらに一歩進め、このガラスも取り払った県民参加のシステムを築き上げてまいりたいと思っております。 次に、新世紀の秋田づくりに向けては、少子・高齢化、産業の振興などの秋田が抱える課題へ対応する政策を明らかにするとともに、百八十六の具体的な目標を掲げ、県民共有の指針としてあきた21総合計画を策定いたしました。この計画は、とりわけ人と時間に焦点を当て、県民が自由時間を有効に活用しながら、自立とパートナーシップのもとに県民参加型で推進しようとする点で、これまでにない新しい着想を取り入れたものであり、「時と豊かに暮らす秋田」を目指す道筋を県民の皆様に提示することができたと思っております。スタートしてこの一年の間に、県民の皆様とあらゆる機会を通じてこの計画について語り、御意見、御提言を伺っておりますが、県内各地で自立的な取り組みや改革の動きが芽生えてきており、この計画は着実に県民の間に浸透しつつあると思っております。 この四年間、私は、県民が人生をよりよく生きるために、県として今何をなすべきかを常に考え、一日一日仕事に全力を傾けてまいりました。こうした日々の積み重ねにより、二十一世紀における秋田づくりの礎としてのレールが敷かれ、その上を大きな車輪が確実に回り始めたものと思っておりますが、これもひとえに議会の皆様の御指導と県民の皆様に支えられたおかげであると考えております。 次に、リーダーシップについてでありますが、「失われた十年」とも言われている二十世紀最後の十年は、混迷が続き、変革への模索がなされた期間でありましたが、その状況は、今日なお続いているものと認識しております。とりわけ、政治や経済など、さまざまな領域でリーダーシップのあり方が改めて問われているのではないかと考えております。 こうした中で、新しい世紀における地方自治の運営に求められているものは、地方分権を実践段階に移すことであり、主体的な発想と独自性を持って、地域の課題解決に向けた政策を具体化していく能力であると思います。例えば、福祉の分野において、縦割り行政の壁を乗り越え、さまざまな分野のサービスを有機的に組み合わせ、県民が真に必要としているニーズに手際よく対応できるようにすることや、これまで国が中心となって進められてきた雇用政策についても、地域性のあるセーフティーネットを構築する観点から、雇用機会の安定確保に向けた独自の取り組みを工夫していくことなどが必要であると考えております。 このような時代要請、地域重視に立脚した県政を進めていく上で、そのリーダーに今日求められているものは、次の三つであると考えております。まず、最も大切なことは、将来に対する明確なビジョンを持つことであり、それを県民に対して情熱を持って語れることであります。次に、有益な情報を幅広く収集し、職員の英知を引き出し、前例にこだわらず、適切な選択ができることであります。最後に、時代の変化のテンポが一層急速になる中、地方においても国際化への思い切った取り組みやITの効果的な活用など、時代感覚を研ぎ澄ませた決断を、必要なときにはリスクを恐れず下せる勇気を持つことであります。 こうしたリーダーシップは、迅速さと同時に、事態を十分見きわめ発揮されることが肝要であると考えます。そのためには、現場主義に徹し、県民を初め、各界各層のさまざまな意見に率直に耳を傾けるとともに、一つ一つの成果を県民と共有することが大切であると考えております。私は、これまで県民から負託された職務に一生懸命邁進してまいりましたが、今後とも不断の研さんを重ね、県民とともに改革の時代を乗り切っていく決意であります。 二点目の国際系大学構想の推進についてでありますが、初めに、県民世論については、国際系大学構想を提案するに当たっては、県民の皆様と情報を共有し、この構想を考えていきたいとの考えから、国際系大学(学部)検討委員会においては、その審議を一般の方にも公開するとともに、検討経過について県のホームページなどを通じ、広く情報提供に努めてまいりました。 こうした中で、県の国際系大学に関するホームページには、現在、七千回近いアクセスがあり、県民の皆様の関心の高さがうかがわれます。また、昨年八月に開催しました、シンポジウム「国際人による秋田のための未来会議」においては、数多くの県民の皆様の参加を得て、パネラーの方々を中心として、国際系大学構想の有用性が評価されたところであります。さらに、国際系大学のニーズを把握するため実施しましたアンケート調査においては、高校生やその保護者、さらには企業を加え、四千人以上の方々から回答が寄せられ、その結果を総合的に判断すると、国際系大学に対するニーズは、総体的に高いものと判断されたところであります。 こうした多様な取り組みを通じて、多くの県民の皆様からは国際系大学構想について理解をいただいているものと認識しておりますし、直接、間接に寄せられるさまざまな意見からも、強い期待感を肌に感じております。また、去る二月六日には、本県の経済界や教育界など団体や個人で構成される国際系大学設置促進協議会の皆様方から、国際系大学の早期実現を求める要望書をいただきました。改めて、国際系大学の創設が本県の未来にとって有益であるとの思いを強くした次第であり、実現に向けて最大限の努力を傾注してまいりたいと思います。 次に、開学時期についてでありますが、大学の創設に当たっては、少子化時代にあっても生き残れる、特色を持ったものである必要がありますが、本県においては、ミネソタ州立大学秋田校が築き上げてきた実績と、十年間にわたって培ってきた信頼関係を背景として、ミネソタ州立大学機構との連携により、これを実現することができると考えております。このため、同機構から協力が得られる今が、まさにその絶好のチャンスであることから、県としては、ぜひともその実現を図っていきたいと考えているものであります。二〇〇三年四月のスケジュールにつきましては、ミネソタ州立大学秋田校からは、昨年十二月に、「アンダーソン総長は、開学をおくらせることは困難であると判断している」と伝えられております。こうしたことを踏まえると、二〇〇三年四月開学が困難となれば、ミネソタ州立大学機構の協力が得られなくなることが強く懸念されるとともに、生き残っていける国際系大学の実現は難しいものと認識しております。 三点目の市町村合併と地方分権、自治のあり方についてでありますが、地方分権の進展が現実のものとなり、市町村が少子・高齢化を初めとしたさまざまな政策課題を抱えるようになった今、市町村とそこに暮らす住民により合併の是非を含めた地域のあり方について議論されることが、大変重要なことであると思います。こうした観点から、これまでも分権フォーラムの開催や啓発パンフレットの作成配布などにより、議論に必要と思われる情報の提供をしてきたほか、民間の方々の合併に関する調査研究事業に支援してまいりました。県といたしましては、今後ともこれらの事業を継続し、さらなる気運の醸成を図るとともに、合併の協議等についての財政的な支援についても検討するなど、自主的な市町村合併に向けた動きを支援すべきものと考えております。市町村合併は、市町村のあり方の問題として、最も自治が尊重されなければならないテーマであり、まず、市町村とそこに暮らす住民の方々が大いに議論していくことが重要であるという認識に変わりはありません。 なお、御指摘の合併に際し懸念される事項については、要綱やパンフレットの資料を初め、これまで開催してきた研修会等において、情報の提供に努めてまいりました。今後も、市町村合併はそこに暮らす住民の方々が十分な議論を重ねながら進めることが大切であるとの考えのもとに、関連する広範な情報の提供に努めるとともに、地域の取り組みを支援してまいりたいと思います。 四点目のIT基本戦略についてでありますが、初めに、県民自治の進展については、地方分権社会が進展する中では、透明性の高い行政を実現し、さらに住民参画の拡大を図っていくことが、地方自治体にとって極めて重要なものと考えております。情報化の進展は、こうした行政の実現に寄与するものであり、本県を初め多くの地方自治体において、インターネットを活用した行政情報や生活情報の発信を進めたり、住民からの意見、要望をいただくなどしているところであります。また、県では、この一月に県のホームページである「美の国秋田ネット」に電子会議室を設け、県政の主要テーマについて県民が自由に意見交換を行う場を提供し、そこでの議論を県政に反映させることで、県民による行政への参画を図っております。今後とも、ITの進展に対応したさまざまな取り組みを通じ、開かれた行政の確立を目指し、県民自治の進展に努めてまいります。 次に、デジタルデバイドの解消についてでありますが、IT革命は、本県にとってハンディであった時間距離の制約を解消するのみならず、むしろ、今までハンディであったものを長所に変え、本県のさらなる発展を生み出し得る大きなチャンスととらえております。こうした認識のもと、このチャンスを確実に生かすべく、ITを活用した本県の発展の方向性やIT活用手法などを明らかにする、あきたIT基本戦略を策定しているところであります。策定に当たっての主な検討課題として、秋田情報ハイウェイの整備を初めとする通信基盤の整備や、県民だれもがITを駆使できるようにするための人材育成などを例示しておりますが、新たなデジタルデバイドを生じさせないことは、もとより重要なことであり、これらを検討する中で、地域や場所、年齢等によるデジタルデバイドを生じさせないよう具体的施策を考えてまいりたいと思います。 次に、ハード面の整備手法と財政負担についてでありますが、秋田情報ハイウェイは、本年六月の基幹回線網の運用開始を目指して整備を進めているところであり、最終的には県民だれもがIT革命の恩恵をより一層享受できるよう、各家庭まで高速通信基盤の整備が図られることを目標としております。国においては、ハード面の基盤整備について、民間主導で進めることを基本としておりますが、過疎地域など需要の少ない地域では、採算面から民間事業者によるサービスが早期に提供されることは難しいと考えております。県としては、このような状況を踏まえ、各家庭までの高速通信基盤の整備が図られるという目標を達成するため、独自に基盤整備を進める市町村に対し、新たな補助制度を創設して支援を行う準備をしているほか、過疎地域等では行政が主体的に整備する方法や、民間事業者への助成により整備を促す方法などについても幅広く検討しているところであります。 なお、県内の全家庭に光ファイバーなどの高速通信基盤を整備する場合の県の負担額については、整備手法などにより異なってくるものであり、確定的なことを申し上げる段階ではありませんが、目標達成に向け、しかるべく支援をしてまいりたいと考えております。 次に、パソコン講習会の講師の確保についてでありますが、今年度の講習会は、県は全二十八コース、定員九百十名、市町村は十九市町村、全三十二コース、定員六百五十七名に対し実施しますが、これにつきましては、必要な講師を既に確保済みであります。来年度の講師につきましては、本県で実施している職員研修の委託先として実績がある事業者や、小・中・高等学校の教員を予定しているほか、関係業界に対する講師確保の協力依頼やインターネットによる公募を行っているところであります。現時点では、講習スケジュールの策定段階でもあり、人数や平均的な経験年数につきましては、計画策定の中で調整してまいりますが、御指摘のありました講師の質につきましては十分留意してまいりたいと考えております。 また、ボランティアやNPO団体につきましては、既に高齢者を含む地域住民にインターネットやパソコン研修を開催するなどの活動をしている団体もあり、今後も地域の情報化や、住民へのIT活用技能の普及・向上に重要な役割を担うものと認識しております。IT基本戦略の中でもこれらの団体の役割について確認することとしており、今後、県とボランティア団体・NPO間の情報交流を図りながら、より活発な活動ができるよう連携を強めてまいりたいと考えております。 五点目の大王製紙の秋田進出断念についてでありますが、初めに、企業誘致のあり方については、県としては、地域経済の活性化や雇用機会の拡大を図るため、地場企業の強化とあわせ企業誘致を積極的に推進してきたところであります。その結果、平成十一年における誘致企業の本県工業に占める割合は、従業者数で三七・七%、製造品出荷額では四九・四%となっており、これまでの誘致政策により本県の産業経済の振興に大きな効果があったものと考えております。 また、地域経済の活性化や雇用機会の拡大には内発的な発展も不可欠という観点から、技術開発支援や新規事業の育成に積極的に取り組んでいるところでありますが、他方、企業誘致の推進は、地場企業との関係においても、取引機会の拡大が期待されることや双方の技術交流などにより、その強化にも貢献するものと考えております。こうしたことから、今後も、より一層企業誘致の推進に積極的に取り組んでまいります。 次に、当面の大王製紙との交渉についてでありますが、これまでの三者協議におきましては、昨年十一月及び十二月に示された大王製紙の見解を踏まえて、まず進出の可否を明確にすることがスタートラインであるとの認識で臨んできたところであります。協議の場において大王製紙側は、現時点では、平成十三年四月着工は事実上不可能、四月以降には何らかの判断をする必要があるとの考えを示しておりますが、県といたしましては、今後も、県民の納得が得られる形での解決を目指して、秋田市とともに精力的に協議を進めていきたいと考えております。 また、秋田進出にかかわる覚書、協定書は、法律的には契約の一種であり、これに盛り込まれた内容については、当事者はこれを遵守し、誠実に履行すべき義務を負い、また、履行を求める権利を有するものと理解しております。 次に、違約金についてでありますが、平成六年三月二十九日に締結した「大王製紙(株)秋田工場建設に係る基本協定書附属覚書」においては、一定期限までに工業用地の売買契約及び工業用水道の給水契約の締結に至らない場合における違約金について規定し、同時に、これに関する担保措置を講じているところであります。先ほども申し上げましたとおり、覚書は契約の一種であると理解しておりますが、違約金の取り扱い及び担保権の実行については、法的見地から判断していく必要があり、法律専門家とも相談しつつ対応してまいりたいと考えております。 次に、大王関連の訴訟についてでありますが、控訴審は昨年七月に結審したものの、昨年十二月に訴訟進行協議が行われ、次回は三月十五日に予定されております。御指摘の産業廃棄物処分場の件も含めて、現在、訴訟係属中であり、県といたしましては、今後とも裁判所の判断を見守ってまいりたいと考えております。 七点目の中央地区における物流についてでありますが、初めに、秋田港へのアクセス道路の整備については、秋田港は物流、交流拠点として、外国貿易定期コンテナ便や定期フェリー便の就航により、ますますその重要性が高まっており、秋田港と秋田北インターチェンジを結ぶ大浜上新城線や、密接に関連する横山金足線の整備はぜひとも必要なものと考えております。このため、現在事業実施中の横山金足線の整備促進に全力を尽くすとともに、大浜上新城線については、県と市が区間を分担して整備することになっておりますので、より一層の連携を図りながら事業着手について努力してまいります。 次に、秋田空港、秋田港におけるCIQの整備についてでありますが、秋田空港とソウル間の国際定期航空路線の開設に向けて、その整備が緊急を要する課題であることから、私自身も国の関係機関に何度も足を運びながら強力に要望活動を行っているところであります。また、開設後の路線の維持のためには、物流も重要な要素であると認識しております。 こうした中で、秋田港については、食品・動物検疫の指定を受けておりますが、その後、国際コンテナ貨物取扱量も増加しており、国際的な物流拠点を目指すためには、御指摘の検疫体制の充実が不可欠と認識しており、国の関係機関に要望してまいりたいと考えております。 次に、秋田県環日本海交流拠点構想の推進についてでありますが、対岸地域との交流につきましては、中国東北地方、ロシア極東地域、韓国などとの間において、経済交流を初めとした各種交流を展開しているところであります。中でも、ポシエット航路で結ばれている中国吉林省とは、経済交流において関係が深く、今後なお一層交流を進めるため、平成十三年度から定期的に交流会議を開催することにいたしております。御指摘の、吉林省内にある延辺朝鮮族自治州との交流については、これまでの物流貨物の実績から、その重要性は十分認識しており、今後とも企業レベルでの交流を一層深めていくとともに、同州との行政レベルでの交流についても、吉林省との調整を要することを踏まえ、交流会議の場などを通じ、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。     [警察本部長(片岡義篤君)登壇] ◎警察本部長(片岡義篤君) 加成議員から御質問のありました警察のあり方についての三点についてお答えいたします。 第一点目の人権教育についてであります。警察は、法の執行者として社会正義を実現するため、犯罪によって失われた人権の回復という重大な責務を担っているわけでありますが、その責務を果たす職務執行の過程において、被疑者や被害者、その他関係者の人権を侵害することは、絶対にあってはならないことであります。人権の尊重は、適正手続の履行とともにすべての警察活動の基本でありますので、人権教育の重要性については十分認識し、人権擁護について徹底を図っているところであります。 そのため、警察学校においては憲法等の基礎法学を初め、県民に対する奉仕の精神を養うなど、人権に配意した誠実な職務を執行していくための教育を行っております。また、各職場におきましても、朝礼や検討会、研修会等あらゆる機会をとらえ、人権の尊重を大きな柱としている職務倫理の基本について教養を実施してきたところであります。人権の尊重は、基本方針に基づく重点目標を実現するに当たっての、あらゆる職務執行の基礎と位置づけ、今後とも全職員が人権に配意した職務執行に努めてまいります。 第二点目の公文書公開における第一次裁量権の限定についてであります。犯罪の予防、捜査等公共の安全と秩序の維持に関する情報につきましては、情報公開法では、公開・非公開の判断をする場合、情報の性質上、犯罪に関する将来予測としての専門的、技術的判断を要することから、訴訟の場においては、公開・非公開の決定に関し実施機関の長の第一次的判断を尊重し、その判断の合理性についてのみ審理することとして規定されております。もし、このような規定がなければ、捜査情報の公開請求に関連して、警察の非公開処分に対する取り消し訴訟が提起された場合、公開の裁判の場において、公開できる情報のみで非公開の正当性を立証することは、情報の性質上極めて困難でありまして、本来非公開とされるべき情報が結果的に公開されるということになり、治安の維持に支障が生ずるということであります。情報公開法や他の都府県において既に警察が実施機関となり、この尊重規定を置いている理由はここにあると認識しております。県警察が実施機関入りするに当たりましては、県民の安全を図るためにぜひともこの規定が必要であると考えているところであります。 第一次的判断権の尊重規定を設けた場合、恣意的運用がなされるのではないかという御指摘につきましては、第一次的判断の尊重を必要とする公共の安全と秩序の維持に関する情報は、犯罪の予防、鎮圧または捜査等に代表される刑事法の執行を中心としたものとする規定を考えております。また、その運用につきましても、警察刷新会議の緊急提言で示されている情報公開の開示の基準により、不開示とする情報は、「現在または将来の犯罪の予防、鎮圧または捜査に支障を及ぼすおそれがあるものに限定する」、こういうようなガイドラインの内容を踏まえまして、適正な運用に努めてまいりたいと考えております。 第三点目の警察署協議会についてであります。 まず、協議会の委員の人選に当たり、過半数を警察署管内の選挙人名薄からアトランダムに選ぶ方法を採用できないかという御質問でありますが、この方法につきましては消極に考えざるを得ないものであります。その理由は、警察署協議会は、警察署の業務運営に広く民意を反映させることを目的としており、当然、委員には住民の代表者として意見等を表明するにふさわしい人を人選する必要があります。無作為に人選した場合、本趣旨に合わない委員が選任されるおそれもあり、設置目的達成のために十分機能するかについては甚だ疑問があるからであります。 公正な委員の人選に配慮し、協議会の趣旨に合った適任者を人選するため、人選に当たりましては、各自治体や団体等からの推薦や意見を参考とするほか、公募制の導入、女性の登用に配意することといたしております。 次に、事務局機能を警察以外にゆだねられないかについてお答えします。警察署協議会は、署長の諮問機関として、警察署の業務が住民にとって効果的に行われるよう、署長が住民の代表である委員から意見、要望等を聞く場であるとともに、警察署長が地域住民の理解と協力を得るため施策等について説明をする場でもございます。したがいまして、その趣旨から、事務局機能を円滑かつ実効あるものとするには警察署に置くことが適当であると考えております。 次に、会議の公開についてお答えします。協議会の公開・非公開につきましては、各協議会において決定されるものでありますが、その際には、協議会における率直な意見の交換やプライバシーの保護の確保について配意する必要があるものと考えております。 なお、協議会の透明性、公開性を確保するため、各協議会の委員の氏名や議事の概要につきましても、プライバシーにわたる発言等を除いて公表することとしております。 以上です。 ○議長(安杖正義君) 一番加成君の質問は終わりました。 本日はこれをもって散会いたします。 △午後三時四十八分散会 ---------------------------------------...